枯れ木の夢
冬枯れた木は空に憧れていた。
朝は陽の光を輝かせ、夜には星々で趣を添える。虹を空に架ける事によって夢と希望を与え、雷さえ神秘さと畏怖の念を感じさせる。
それに対して花が散り、葉さえ落ちた木は誰も楽しませることができず、鳥たちの憩いの場にもなれない。
だから木は空に憧れていた。
どれだけ季節が巡っても変わらない華が欲しかった。
そして木は空に向かって一生懸命背を伸ばす。高く高く背を伸ばす。
それと同時に高くなっても倒れないように、根を深く広く張っていく。
強い風が吹いて雨嵐が激しく打ち付けても倒れないように、空に負けないように根を伸ばす。
そして木は気づかない。
根を張るごとに自分が地上に縛られていくという事を。
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