ガーベラ

出窓のところに飾られた黄色いガーベラ。

母はいつもそこに黄色いガーベラを飾り、丁寧に世話をして枯れてしまったらまた新しい黄色のガーベラを買ってきていた。


子供の頃は、綺麗だと思いつつも背が届かなくてなかなか見られなかった。

その度に母がガーベラの鉢を下ろして私に見せてくれた。

その時は単純に綺麗だと思うだけで、母が黄色いガーベラをいつも飾る理由なんて気にしなかった。


でも今は分かる。


黄色いガーベラの花言葉は『究極の愛』。

母は常にこのガーベラを見ながら、私を育ててくれたんだ。


今では寝たきりになってしまった母。

今度は私が黄色いガーベラを出窓から下ろして母の枕元に飾る。


黄色いガーベラは、あなたにこそ相応しい。

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