馬鹿なお洒落

疲れた体と重い心を引きずって家に帰った。


帰ってくる間も『久しぶりの友だちに会いたかったから』だとか『最近美味しいものを食べていなかったからちょうど良かった』などと言い訳を並び連ねていた。

そんな事をして、疲れに拍車をかけて、ようやく家にたどり着いた。


部屋の電気を点ける前に髪を解く。

朝に美容院でセットしてもらった時には大丈夫だと思っていたのにまだダメだった。


好きだった彼の結婚式。


別れる時にはお互い納得してのことだった。

それにあれから大分時間も経った。

でも私を振って他の女と結婚する彼のためにお洒落をしただなんてバカみたい。


こんな私なんて見たくない。

私は暗闇の中に髪飾りを投げ捨てる。


涙なんか見せない。

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