あの人を愛し、あの人の愛を手に入れようと呪いを使った貴女。

だが呪いは自分に返ってきた。

呪いのために大事なものを差し出した貴女は、一番大事なものまで奪われた。

あの人にはもうすでに愛する王妃がいたし、あの人の愛を手に入れるために魔女に頼ったのも貴女の弱さ。

しかしその愛も弱さも、本当に純粋なものだった。

だからそんな貴女の呪いを解いてあげたいと思った。

ラピスラズリのネックレスを使えば呪いは解ける。

でも貴女はネックレスを受け取ることも首に掛けることもしなかった。呪いのせいで顔色は悪いというのに、その表情はとても幸せそうだった。

まるであの人に殺されるのを望んでいるかのように。

僕の気持ちも知らないままで。

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