かき氷のイチゴ味
「一口ちょうだい」と言って僕のメロン味のかき氷を勝手に食べた彼女。
「じゃあ私のもあげるね」と自分のスプーンですくったイチゴ味のかき氷を差し出す。
幼馴染の子供同士なら普通なのかもしれない。
どこにでもある光景かもしれない。
笑い話で済ませられる出来事かも知れない。
でも僕は恥ずかしすぎて断ってしまった。
イチゴ味はキライだからと言って。
それ以来、僕は彼女の唇を妙に意識するようになってしまった。
そして意識してはいけないという反動で彼女の唇から、そして彼女から目を背けていた。
僕は10年前のあの夏の出来事を今でもすごく後悔している。
だから僕の隣でイチゴ味のかき氷を食べている彼女と未だにキスができないのも当然だ。
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