震える唇。凍える心。
氷のように冷ややかな君の声は、しかし心の中では泣いているのだと僕に教えるようにほんの一瞬語尾を震わせた。
君の瞳に涙はなかったが、小さく震える唇が感情の荒ぶりを伝えている。
どうかその感情を僕にぶつけてくれ。
僕に君の氷を溶かす暖かさはないかもしれない。
でも無意識とはいえ今までひた隠しにしてきた凍った心を僕に見せたのは、きっと君もどこかに探していたのだろう。自分の心を暖める場所を。
だからどうか無理をしないで。
固く閉ざした口を開いて、冷え切った息を吐き出してごらん。
きっとそのために僕らは出会ったのだから。
その結果、今まで積み重ねてきたものが悉く砕け散ったとしても、僕がまた最初から積み上げてあげるから。
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