4.代償
これがあれば、鎖の切断も可能だ。しかしそんなメリーアンの期待とは裏腹に、コラプサーは半ばほど出たところでびくともしなくなった。
よくよくみると、その刃には赤く光る細かな文字の鎖が絡みついている。
そしてそれは、メリーアンの胸の奥へと伸びているようだった。
「……契約の……いや、制御の鎖、ね」
コラプサーを引き抜く手を一旦止め、メリーアンは冷静にそれを観察した。
この剣と鎖はルシアンとの契約の証であり、さらにテンペストとしてのメリーアンの力を封じ込めているもの。
剣を軽く抜いたせいだろうか。いつもよりも頭が冴えているようだ。
そしてその冴えた頭で、メリーアンは考える。
「この剣を引き抜けば、旦那様が私にかけている力の制限が外れる……つまり全力を出せるようになる。ゲファンゲネの時のように――」
ゲファンゲネの体内のことを思い出す。
数多の霊を捉えていた墓標輪を断ちきる時。ルシアンは呪文を唱えながらメリーアンに自身の血を舐めさせ、その鳩尾に触れた。
あの時、ルシアンはコラプサーによって掛けていた封印をわずかに緩めたのだ。
「つまり旦那様がいなければ封印の解除はできない……当然ね。だって旦那様が、封印を掛けたんだから。――なら、私にはこれ以上何も……」
できなくはない。
封印が緩んでいる影響か、澄み渡る思考は信じられない速度で解答を導き出した。
しかしその答えに、メリーアンは顔を歪めた。
「……手段は、ある。ある、けど……」
メリーアンは左手を剣から離し、その掌に意識を集中した。
するとそこから青い光が零れ、ビスマス結晶にも似た不思議な結晶が現われる。
神涙晶――アロブ=マブが零した涙。蛮神の力の結晶。
「う……」
アルカは言った。使えるのは一度だけだと。
――新たな大陸を作れるかもしれないし、あるいは不老不死になるかもしれない――失われた記憶を取り戻せるかもしれない。
左手が震えた。さっきとは別の理由で泣き叫びたくなった。
「一度……一度だけ……ここで使えば、もう……もう……っ!」
過去がなかった。
両親の記憶も、友人の記憶もなかった。故郷がどこなのかもわからず、己の名前すらも知らない。気づけば幽霊で、自分の死因がなんだったのかさえ不明。
ずっと存在の不安を抱えて、この世界に在った。
そして、ようやく記憶を取り戻す方法を手に入れたと思ったのに。
「う、うう……!」
他に手はないか。メリーアンは必死で頭を引き絞る。
そもそもコラプサーを抜かなければ良かったのか。構成霊素の限界ギリギリまで、アッシャータの鎖と戦っていれば解けていたかもしれない。
「だめ……だめだわ。どのみち大きな損傷を受ける……そしてそれの回復のために、あるいはこの空間からの脱出のためには……!」
どうやっても、神の奇跡を使うしかない。
メリーアンは髪を振り乱し、絶叫した。悔しさとも悲しみともつかない感情が割れた胸の中で炸裂し、その熱が口から飛び出たようだった。
そうして叫んで、メリーアンは何度か呼吸した。
幽霊に、呼吸などは必要ない。けれども生前の名残だろうか。深く息を吸って、そして吐けば、落ち着く気がした。
「……使う、しかない」
メリーアンは涙に濡れた瞳で、じっと掌に浮かぶ青い結晶を見つめた。
暴走する感情を吐きだした結果、現実を受け入れる覚悟ができた。そして――メリーアンは緩くかぶりを振り、かすかに笑う。
「……それに私は、なにもないわけじゃない」
復元された時に見た夢。そして、先ほど必死で策を考えていた時に思い浮んだ顔。
メリーアンに過去はない。
けれども確かに、現在に存在している。人々と繋がりを持ち、同じ時を重ねている。
なにより、今のメリーアンには拠り所がある。
「……旦那様といっしょなら、きっと大丈夫」
ルシアン=マレオパール。
第四区支配者にして監獄館館主。――そしてかつての冥王。
自堕落で、女たらしで、悪辣非道で、肝心なところで不器用で、変なところで慎重で。朝に弱く、苦い物が嫌いで、たまにメリーアンを愛人と呼び間違える。
そんな――メリーアンのたった一人の主人。
彼の傍ではきっと苦労が絶えない。けれども彼はいつも、メリーアンに道を指し示す。
それは胡散臭い神の奇跡よりも、ずっと信頼できるもの。
だからメリーアンは、たった一度の神の奇跡を手放すことにした。
「――願い事をします」
きつく神涙晶を握りしめ、メリーアンは低い声で呟いた。
手の中で、どくりと結晶が脈打つ。内部を駆け回る銀の光が加速する。
メリーアンは小さく呼吸して、心を落ち着けた。
そして。
「この封印を解いて――ッ!」
メリーアンは自分の左手を――神涙晶を、ひび割れた自分の胸に叩き付けた。
青い光が爆発するように炸裂し、白い精神空間を染め上げていく。
その衝撃にメリーアンは大きくのけぞり、天を仰いだ。
痛みはまったく感じなかった。代わりに、今までに感じた事のないほどの爽快感と解放感が胸から全身へと広がっていく。
「っは――あっははははは……!」
気づけば、メリーアンの口からは笑い声が弾けていた。
コラプサーから制御の鎖が解け、音を立てて砕け散っていく。メリーアンは笑いながらその柄に手をかけ、わずかに力を込めた。
それだけで、冥王の剣はあっさりとメリーアンの胸から抜き取られた。
「よし、よし――!」
感嘆の声を上げつつも、メリーアンは胸に意識を向ける。
その瞬間、胸に空いていた大穴は瞬く間に塞がっていった。それだけではなく、全身に入っていた亀裂が急速に癒えていく。
いつものメリーアンならばコラプサーが抜けた瞬間に砕け散り、原型に戻っていた。
本来の力が解放された結果、構成霊素の力がいつもよりも強くなっている。
それを理解し、メリーアンはまた小さく笑い声を立てた。
「やれるわ……」
メリーアンは何度かコラプサーの柄を撫で、小さくうなずいた。
青い光は消え、周囲には先ほどと同じような様々な光が流れる白い精神世界が広がっている。メリーアンを拘束する青白い鎖も変わっていない。
だが――その鎖は今、小さく軋みを立てていた。
メリーアンが真の力を解放した今、彼女を封じていた鎖が限界を迎えつつある。
「――お借りいたします、旦那様」
ひび割れた鎖をじっと見つめ、メリーアンはコラプサーを握り直した。光を吸い込むような漆黒の刃を腰だめに構え、わずかに瞳を伏せた。
なにをするべきかは、わかっていた。
「せぇえ――!」
メリーアンはカッと目を見開き、渾身の力を込めてコラプサーを振るった。
掬い上げるように刃が空を滑り、空中に漆黒の軌跡を刻み込む。
それは青白い鎖を捉え、次々に叩き切った。メリーアンは勢いに任せてその矮躯を翻し、さらにもう一つ刃を横凪ぎに振るった。
それが、決別の一撃となった。
白い空間に、まるで墨で引いたかのように黒い線が切り結ばれた。そして瞬く間に森のざわめきにも似た音ともにそこから影が滲み、零れ出る。
影は急速に空間を黒く染め上げていった。
色とりどりの光も飲み込まれ、絶無の闇がメリーアンへと押し寄せる。メリーアンは剣を握りしめたまま、じっとそれを見つめていた。
「旦那様……すぐに参ります」
小さく呟き、メリーアンは微笑んだ。
もはや不安はなかった。光も絶えていく中、彼女はただルシアンの事だけを考えていた。
空の中央で、硝子が割れるような音が響いた。
「ぐ、ああッ――!」
同時に、まさにルシアンに追撃を叩き込もうとしていたアッシャータが苦しみ始めた。
胸を押さえ、体を折り曲げている。
絶好の好機。しかしルシアンは動きを止め、大きく後退した。
「な、何だ……!」
アッシャータが呻き、シャツの胸元を引き裂く。
青白い模様に覆われた胸の中央に、赤い墓標輪が埋め込まれている。
今、その全体には無数の亀裂が走っていた。それどころか亀裂は見る見るうちに広がり、そこから淡く青い光が零れだしている。
「これは……消耗させるつもりだったが、案外短時間で終わったな」
赤い瞳を細め、ルシアンは笑った。
それは勝ち誇ったものではなく、呆れから生じたものだった。
「――さて、今度はどんな無茶をしたのか」
ルシアンが言った直後、ついに風の音を切り裂いて甲高い音が空に響き渡った。
墓標輪が砕け散り、その破片を追うようにして青白い血がどっと滝のように流れ出す。
「ぎゃ、あああああああ――ッ!」
絶叫するアッシャータが大きくのけぞった。墓標輪が砕けた部分からその部分の肉がぱっくりと裂け、真っ白い肋骨までがさらけ出された。
しかしその凄惨な光景は、血とともに噴き出した青い光によって塗り潰される。
その光の中に、さっと影がよぎった。
漆黒の剣が光の中から飛びだす。くるくると回りながら地面へと落ちていく自身の愛剣を前に、ルシアンは眉を寄せた。
「コラプサー……!」
「うわわ……!」
その悲鳴に、ルシアンは目を見開いた。
コラプサーに次いで、青い光の中からメリーアンが飛びだす。
落下しそうになるメリーアンは悲鳴を上げ、ルシアンに手を伸ばす。
「だ、旦那様、落っこちちゃ――!」
「メリーアン!」
ルシアンもまたとっさに手を広げ、メリーアンを受け止めようとする。が、メリーアンの体は思いきりルシアンをすり抜けた。
ルシアンの顔から血の気が引き――ついで怒りの表情を浮かべて振り返った。
「いい加減学習しろ! 幽霊ッ!」
「アッハァ! ですよね!」
自分の額を叩いて、メリーアンは意識を集中する。
すぐに飛行の感覚を取り戻し、どうにか空中で踏み止まる。
そして鬼火を浮かべる。いつもよりもスムーズに、三つの火の玉を浮かべることができた。メリーアンは満足げにうなずき、そうして振り返る。
ルシアンは腕組みをして、じっとメリーアンを見つめていた。
「……お前は誰だ?」
その質問に、メリーアンは一瞬面食らった。
しかし、すぐにその意図を理解する。胸元に手を当てて、メリーアンは一礼した。
「私は貴方のメイド――メリーアン以外の何者でもありません、旦那様」
「ふん……加減は」
「元気いっぱいです。いつもよりもずっと」
「……また、相当な無茶をしたようだな」
ルシアンはやや顔を歪めつつ、ゆっくりと腕を組んだ。左手から血が滴るのも構わず、彼は軽く顎をそらしてメリーアンを見下ろす。
「体を壊してまで忠義を果たす必要はないと、我輩はいったはずだが?」
「そうしなければならない状況だったんですもの。それに旦那様も」
メリーアンもまた腰に手をあてて、ルシアンを軽く睨んだ。
「どうして何も言わないで、行ってしまったのです」
ルシアンは黙って腕組みをしたまま、しばらく不機嫌そうにメリーアンを見つめていた。
やがて主従はどちらともなく目を伏せ、ふっと笑う。
「……今回だけ不問にしてやる」
「急に姿勢を変えるのは難しいですからね。次からお互い頑張りましょうね」
一瞬、嵐の中に和やかな空気が流れた。
しかしそこに、地の底から轟くようなアッシャータの声が響く。
「ぐ、う、ガ、ァアアアア……!」
「あれは……」
ルシアンの肩越しにアッシャータを見て、メリーアンは思わず口元を押さえた。
アッシャータは額を抑え、大きく空中でよろめいた。
その肉体が痙攣し、見る見るうちに変貌していく。シャツから覗く肌には鱗がびっしりと生え、傷口を引き裂くようにして甲殻が現われた。
裂けた胸元の傷は塞がっていくそばから羽毛や鱗を生じていく。
「なんだ、なんだ、なんだァ……!」
それでも、アッシャータはかろうじて自我をたもっていた。
アッシャータはゆるゆると手を下ろし、震える両手を顔の前で広げた。右手は見る見るうちに肉食獣の前足へ。左手も骨格が歪み、翼に似た形へと変じていく。
ルシアンは振り返り、興味深そうに彼の変貌を見つめた。
「無様なものだな。――あれになにが起きたかわかるな?」
「あの人の中から、私がいなくなったから……肉体とマナの均衡が、釣り合わなくなってしまったのですね」
メリーアンの言葉に、ルシアンは「そうだ」とうなずいた。
「――完全にキマイラになろうとしている」
その囁きを聞きながら、メリーアンはじっと旧子爵の末路を見つめた。
メキメキと音を立てて肩の肉が盛り上がり、なにか異様な器官を生じさせる。手足は裂け、いびつな多脚動物へと変じようとしているようだった。
人間のものではなくなっていく髪を激しく掻き乱し、アッシャータは叫んだ。
「――うるさい、うるさい! 叫んでいるのは誰だ! 私の後ろで笑うんじゃない――ああ! なんだ! 脳みそが破裂しそうだ! 静かにしろ! 静かにしろッ……! 私はまだ、私はなにも――!」
錯乱するアッシャータを前に、ルシアンが腕組みを解いた。
「……潮時だな。そろそろ幕としよう」
「旦那様、ここは私に」
前に出ようとするルシアンを、メリーアンは制した。
「何?」
「相手は無限に再生するキマイラです。万全の状態で臨みましょう」
眉をひそめるルシアンの左腕を、メリーアンは指さした。
雨にまじってその手からは血が滴り落ちているのを、メイドはしっかりと見ていた。
どうやら昨夜の傷が開いてしまったらしい。
「なので旦那様はその腕の治療を先に。――それよりなんですか、その骨肉ジグソーパズルみたいな左腕の有様は。そんなに手酷くやられたんですか」
「やかましい、そんなはずがないだろう。これは肉体を用いた前衛芸術だ」
「前衛的にも程があります。――ともかく、私が時間を稼ぎますから」
「……ほう? 稼げるのか?」
ルシアンは片眉を上げ、面白そうにメリーアンを見つめた。
「えぇ。――必ず、稼いで見せましょう」
メリーアンはしっかりとうなずいて、人の形をなくしていくアッシャータに向き直った。
右手を伸ばす。するとその掌から鬼火が噴きだし、瞬く間に大鋏へと変じた。
銀色に輝くオールワーカーを構え、メリーアンは前を睨む。
その様子を見つつ、ルシアンが口を開いた。
「……正直な話、腕試しをしたくなっただけではないか?」
「……そこは内緒です」
わずかに頬を染め、メリーアンは視線を逸らした。
ルシアンはにやりと笑い、背後に下がった。
「まぁいい。どこまでやれるか試してみろ――ただ、あまり呑まれるなよ」
「呑まれるなよ」――その言葉の意味はよくわからなかった。
しかし構わず、メリーアンは飛ぶ。
完全に獣と化したアッシャータが――キマイラがメリーアンめがけて吼えた。
獅子と、山羊と、蛇とを組み合わせたような姿をしていた。
銀のたてがみを揺らす獅子の頭は美しい。けれどもその肉体は、あまりにも混沌としていた。首を取り巻くように生えた山羊の足は、醜いバグパイプのよう。
その体から生えた四つの大蛇もまた、恐ろしさよりもいびつさを感じ褪せた。
「獅子でもなく、山羊でもなく、蛇でもない……これがキマイラの完成形ですか」
メリーアンは呟き、目を伏せる。そんな彼女めがけ、四つの大蛇の顎が青白い毒液を散らし、まったく同時に襲いかかった。
キマイラの一撃はマナを帯びていることは、【虎】やジャードで学習した。
幽体化しても傷を受ける。ならば回避が得策。
けれどもメリーアンは避けなかった。顔を上げ、黙って迫り来る蛇の顎を見る。
その瞳が紫色に煌めいた。
「――なんて、中途半端」
その瞬間――蛇の顎が全て、爆ぜた。
視線だけで発動した念力が歪んだ鐘の音を高く響かせ、怪物の骨肉を破砕する。その一撃に本体の怪物は悲鳴を上げ、怒りに無数の瞳を燃やした。
怪物が上体を高くのけぞらせる。獅子の顔が天に吼えた時、雲が激しく鳴動した。
風が唸りを上げ、無数の竜巻がまたたく間に出現する。キマイラを中心に風の渦がうねる様は、先ほどの大蛇達を思わせた。
どす黒い風の渦は青白い光の粒子を漂わせ、辺り一帯のマナを掻き乱している。
「
メリーアンはそれを察知し、わずかに目を細めた。
解放の影響でいつもよりも頭が冴えている。さらに霊としての力を使うにつれ、メリーアンは徐々に自分の姿が変異しつつあるのを感じた。
隠されていた首の裂傷から血が溢れている。
左半身を燃やす鬼火がさらに全身へと広がり、色褪せた髪が腰にかかる。
変形していくエプロンドレスを揺らして、メリーアンはオールワーカーを薙ぎ払った。
鬼火を宿した斬撃が竜巻へと打ち込まれた。
それは迫り来る竜巻とぶつかり合い、派手な音を立ててそれを打ち消した。青白いマナの粒子が花火の如く炸裂する中、メリーアンは淡々と囁いた。
「……貴方が欲し、手にしたのは――全て他の誰かのもの。貴方自身が力を尽くして手に入れたものは、なにもない」
莫大な財産は祖先から継いだもの、混合血液はジャクリーンの成果。
奪ったマナはメリーアンのもの。
そして彼が欲したのは、ルシアンの称号。
「貴方はきっと、より良い未来を求めたのでしょう。自分の生きている現在全てを否定して……けれども、こんな結果になってしまった。どうしてなのでしょうね」
ジャードのような醜悪な自我を持っていなかった。
アロイスのように、どうしようもない境遇にいたわけでもなかった。
アッシャータはその二人よりも、遥かに恵まれた境遇にいた。その性は豪放磊落にして快活、貴族としての血統は彼に莫大な富をもたらした。
ならば、どうしてこんな事になってしまったのか。
アッシャータの境遇はあまりにもメリーアンと違いすぎる上に、彼女はあまり頭も良くない。それでもメリーアンにもわかったことは――。
再び風が唸りを上げ、揺れ動く雲からドリルの如く無数の竜巻が襲ってくる。青白い光が飛び散り、マナの気配にちりちりと『肌』が疼いた。
しかしメリーアンはそれを見もせずに、鬱陶しそうに片手で払った。
「貴方にとって、なにもかも無価値だった。全て否定して、子供の如くないものねだりを続けた――だからお前はそうなった」
歪んだ鐘の音ともに大気がぐらりと揺れた。
見えない衝撃波が一瞬で発動。それは竜巻をあっさりと打ち消しただけでなく、キマイラに向かって押し寄せた。
キマイラは再生していた大蛇を巧みに操り、それらを犠牲にすることで攻撃を防ぐ。
骨肉の潰れる音に、メリーアンは目を細める。
「――お前は結局、何者にもなれなかった」
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