静謐に濃密に、それでいてさらさらと流れてゆく文章がうつくしく、上質の仏蘭西文学を読んでいるような気持ちになりました。うすぐもりの午後、お茶といっしょにゆっくり楽しみたくなるお話です。また、主人公リュンヌちゃん(愛らしいので、つい「ちゃん」付けしたくなってしまう)がかわいらしく、ほほえましい。小動物のようで、ぎゅっと守ってあげたくなります。エルネスト大隊長の武骨さ、きまじめさも好ましい。ちょっと不器用そうな彼と愛らしい少女の恋物語、どうなってゆくのかふくふくと見守りたいです。