幕間
吾輩は役割から外された。
生まれた時より与えられた役割を果たす事なく終わったのだ。
カラバ侯爵になる者すら存在しなくなった。
我が輩が出来うる事などありはしない。
失われた運命の書の筋書をたどるのも一興。
迎える事のなかった晴れ舞台。
真摯で酔狂な道化らと共に演じようではないか。
吾輩は曖昧な存在。
ある者は吾輩を主役と呼び、ある者は脇役と呼ぶ。
吾輩は吾輩の意思のままに動くのみ。
吾輩の書の記した通りに演じるのみ。
それが吾輩に与えられた役割なのだから。
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