三人称で織りなされる、複雑な人間関係を描いた作品……かと思われたが、実はそうではない。
この小説に登場する人物は思いの外少なく、ケッタイな人間関係によって構築された、歪んだ女一匹の走馬灯のようなものを描いている。そして複雑なのは人間関係ではなく、主人公の心情と精神というだけの事。
いつ死んだとしても、世の中には何一つ影響を与えないであろう、哀れな女一匹のお話です。
しかし、それこそが純文学なのだろうなと、思わされる一作。
故に、人は選びます。バリバリ選びます。嫌いな人は三行持たないかも。
私は満点つけますけどね!
それと、フラメンコは実は、そんなに関係無いからね!
専門知識とか全然要らないんで、純文学好きは一度読んでみて下さい。