第8話 割りと手軽なセキュリティー
前回の糸の切れたのは、人為的な物だったらしい。
要するに商品を盗まれたと言うことだ。
こちらは商品を垂らすだけ、向こうは時間を見計らって行って商品を見つけて拾うだけ。
警戒心も何も在ったものではない、セキュリティーもザル過ぎて何時かはこうなっていただろう。
被害が使い捨てライター1000円分ってのは不幸中の幸い、これが高額商品だったら目も当てられない。
しかし、目視確認出来ず電子機器を使うのも無理となると…どうしたものかな。
盗難対策出来るまでは、迂闊に商品を下ろせないぞ。
~ネットで検索中~
よし、今直ぐできそうなのを見つけた。
一枚の紙に書かれた文字などを2つに分けてお互いに持つ割符(わりふ)を使おう。
しかも偽造できないように、適当な写真をハサミでジグザグに切ってと…
これで次からは空のタッパーを垂らし、割り当を入れてもらい割符認証をしてから商品を下ろす。
野上さんも猟師を生業としていて、チョットした盗賊であれば追い払う事はできるそうだから暫くはこれで行こう。
今回送るのは前回送れなかったライター30個と、これまた100円ショップで買った老眼鏡を度数を数種ずつ、計10個ほど送ることにした。
今回は結構な自身があるぞ。
今回はタッパだけ下ろし、手紙を回収し野上さんと確認してからの割符と手紙を送った。
その後商品を降ろして、返事の手紙を受け取った。
盗人のせいでこれからは、毎回2往復しないと商品が下ろせないのが腹立たしい。
「前回は回収が遅くなり、盗まれてしまいました、申し訳ありません。
また、割符の件了解いたしました。
これは富士山の絵葉書ですね、半分とは言え久し振りに富士を見られて痛く感動いたしました。
前回の商品は盗難にあって、こちらからは今回手紙だけですが、次こそは頑張って売ってきますのでお楽しみにしてて下さい。」
ああ、いい人だなぁ。
でも、今回の盗難でこの穴の事がバレて下で取り合いとかにならないと良いけど。
儲かったら劇的に強くなる様な物をプレゼントしたいなぁ。
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