第二章 第二話
映画文化は、貴国のハリウッドの
『会議は
我が国の映画は、全世界が認める
それにカールスラントには、オペラという
かの
他にも、ゲーテ、ハイネ、シラーを代表とする文学や、政治学、
カールスラントの人類に対する文化的
その
また
世界に
「あはは!
手紙に目を通したシャーリーは、お
「ねねね、ローエングリ……なんとかって、お
その
「おとぎ話だよ、中世の」
シャーリーは、オペラのもととなった白鳥の
「……な〜んだ」
と、つまらなそうな顔になるルッキーニ。
「そんなの信じるなんて、意外とお子様なんだね、バルクホルン
「い、言えてる」
シャーリーは
* * *
拝啓 バルクホルン大尉
ちょっと誤解があるようだな。
オペラって、要するに歌を
だったら、あたしの国ではそっちで言うオペラのことを、ミュージカルって呼んでる。
一度、君もブロードウェイに来てみるといいな。
ネオンに
そうそう。
話は変わるけど、この間、格納庫の奥でヴィッカーズのウェズレーを見つけた。
ほら、北アフリカからオストマルクまで、12,000km近くの
貸してくれるっていうから、今度の
アブロランカスターも貸してくれるって整備の連中が言ってくれてるけど、どっちがいいと思う?
シャーリーより
「ア、アブロランカスターだと!?
手紙を読んだバルクホルンは思わず声を
「あ〜。断んないと、本気で乗りつけてくるよ」
と、ハルトマン。
「やはり、ひとこと言ってやらねばならんな。シャーリーはどうも軍人としての気構えに甘いところがあるようだ」
「またまたお
「お堅い? これはカールスラント軍人にとってはごく当たり前のことだ! 貴様が
バルクホルンはキッとハルトマンを
「あ〜もう、
「何が発作だ! って、どうしてここに宮藤が出てくる!?」
「だって、何のかんの言って、宮藤のこと結構気にかけてたし」
「そ、そんなことはない! 私があいつのことに目を配っていたのはだな、あいつがあまりにも軍人としての自覚に欠けて……」
「……ほんとに?」
「よ、よし! そこまで言うのなら、ハルトマン! まずは貴様に、カールスラント軍人たる者の心構えを骨の
バルクホルンは顔を紅潮させ、ハルトマンの
「うわあ、
「……トゥルーデ、まず、お返事を書いてからにしたら?」
「むう。……そうだな」
笑いを
「助かった〜」
ライティングデスクに向かうバルクホルンを見て、ハルトマンはホッと胸を
* * *
前略 シャーリー
貴官の言うミュージカルとやらは、格調高い伝統的なオペラとはだいぶ
とりあえず、
そもそも、爆撃機は休暇で使うものではないだろう?
思うにリベリアンの気風か、貴官はほんの少しばかり軍人としての
かつての戦友の一人としては、
何かと注目を集める元501隊員だ。
バルクホルンより
* * *
前略 バルクホルン殿
OK。
アブロランカスターは止めにする。
けど、こっちは気候のせいか、結構自由な
だから、私用で軍機を使っても誰にも
君も、
あんまり軍規とか
あんまり
心配しているシャーリーより
「ひ、人が親切に苦言を
今日は
妹のクリスやハルトマンたちとピクニックに来ていたのだが……。
「……かけてる、リアルタイムで」
バルクホルンが
「お姉ちゃん、いい加減に……」
妹のクリスティアーネが
「止めるな、クリス!」
バルクホルンは手紙を
「これは二つの国の文化の、いや、文明の
「……大げさだよ」
と、サンドウィッチを
「私はこの書簡という名の
さっそくペンを手に取るバルクホルン。
「あ〜、こういうの、何て言ったっけ?」
ハルトマンは、紅茶を
「
と、足を
「そう、それ」
「はあ〜、全然、変わらないね、お姉ちゃん」
クリスは心配そうに、
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