インターミッション - みっちゃん・いんぽっしぶるⅡ
「にゃ〜」
のどかな横須賀第四女子中学の午後。
「こら、静かにしないと
みっちゃんは
仔猫の名は
夏休みに入る前のこと。
それがいつの間にか、親猫の「すがね」ともども学校に居ついてしまい、今では学校
「復習になりますが、
「……芳佳ちゃんに会いたいのかな?」
「にゃ〜」
「うふふ、私も。……見て」
みっちゃんはかなり勝手な
「芳佳ちゃん、ブリタニアで誕生日を
写真には芳佳と、同じ日が誕生日のサーニャ、そして二人を祝う仲間たちとケーキが写っている。
「にゃ〜」
紅染は首を伸ばすと、スナップ写真の、ちょうどペリーヌが写っているあたりの場所に鼻をこすりつけた。
「この人が気になるの、紅染ちゃん? この人はね、ガリアのウィッチのペリーヌ・クロステルマン
スラスラと部外秘に当たるデータまでが、口から出るみっちゃん。
そう。
実はみっちゃんは、自室の
「ええ、紅染ちゃん。芳佳ちゃんの手紙を読むと、クロステルマン中尉って、きっと
「みゃ〜」
「でも、ほんとはいい人だと思うよ。だって、こうやって
「にゃん」
まるで、みっちゃんの言葉が分かったかのようにうなずく紅染は、芳佳とサーニャに
「写真のケーキは食べられないよ、紅染ちゃん」
「でもこのケーキ、買ってきたものじゃないよね?
みっちゃんの
「……リネット・ビショップ
そう呟いてから、みっちゃんの表情は少し、寂しそうになった。
「芳佳ちゃんとも仲がいいみたいだし、ケーキを作ったの、リーネさんかな、やっぱり」
「うにゃん?」
「リーネさんって、お
自分の胸に視線を落としたみっちゃんは、ますます寂しそうになる。
「……私、三年前から水着、同じなのに」
「にゃ〜」
「牛乳とか、飲めばいいのかな?」
「にゃん」
「体操とか、した方がいいとか?」
「にゃ」
「今度、芳佳ちゃんにお返事を出す時、リーネさんにどうしたら大きくなるのか、それとなく聞いてもらおうかな?」
「にゃにゃん」
「あ、でもそんなことしたら、リーネさんに
「にゃ〜」
「リーネさん、自分では胸が大きいの、気にしてるみたいだし……
みっちゃんは
と、その時。
「……山川さん」
ポンとみっちゃんの
「はい?」
「また、私の授業を聞いていらっしゃらなかったようですね」
「………………はい」
「にゃ〜」
みっちゃんは小さくなる。
「はい、これ」
教師は水がたっぷり入ったバケツを二つ、みっちゃんに差し出した。
「……あううう」
かくして、バケツを両手に、とぼとぼと
「みゃ〜」
紅染は、みっちゃんの胸を
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