第四章 第四話
「何ですって!」
ロンドンの司令部からの
「チャーチル
「ネウロイの進行速度と進路を考えると、ちょうど首相の上空が戦場となります!」
無線の声も
「どうして
「そ、それが……」
「首相、お願いです! お車に! 安全な地域まで急いで避難を!」
地上では、秘書官がチャーチル首相を移動させようと、必死の説得に努めていた。
「まだ、市民の避難が終わっておらんよ」
チャーチルは葉巻きを
「
「し、しかし!」
「いいかね」
チャーチルは、秘書官に落ち着いた声で語りかけた。
「
「……首相」
「こうして市民を
チャーチルはそう言うと、葉巻きの
「さすがは戦時の名
無線で
「被害を最小限に
ここで魔道エンジンをフル回転させて速度を上げれば、その分、
だが、長年
「
ウィッチたちは、魔道エンジンの出力を上げる。
やがて、テムズ上に出て、川沿いに飛ぶウィッチーズの前に、ロンドン橋が見えてくる。
「ロン〜ドン・ブリッジ・イズ・フォ〜リンダウン……」
古い
そのあまりの
「バルクホルンとサーニャ、ハルトマンとエイラのロッテでいきます!」
降下してゆく
その
ネウロイの方もこちらに気づき、ビームを放ってくる。
ビームは
「目くらましのつもり!?」
エイラに小型機を任せて、蒸気の中に突っ込んでゆくハルトマン。
後に続くエイラも期待に
最初に
目くらましは無意味だ。
「そこっ!」
ブウン!
ハルトマンの
一方。
もう一機の巨大ネウロイは、
「……
ギュン!
サーニャに声をかけて、バルクホルンはそのハッチからネウロイ内部に
ブウウウウウンッ!
背中合わせになって、
無数の銃弾が
ピカッ!
巨大ネウロイは
「残り一機!」
小型ネウロイを
バルクホルン隊とハルトマン隊は、
そして、
「いつもより早いじゃない?」
Wエースの
「トゥルーデ、フラウ」
「下に降りて、首相と
ロンドン橋近くの
「ふん、くだらん」
ミーナの予想通り、バルクホルンは言い捨てた。
「基地に
「そうそう、心配だものね、あの子たち」
と、ハルトマン。
「べ、別に心配はしていない!」
バルクホルンはほんの少し
「……と、いうことです」
ミーナは司令部に伝えると、チャーチル首相に向かって敬礼し、それからバルクホルンたちの後を追った。
* * *
「……私は……
ネウロイ上部から4、50mほど落下したところで、芳佳は何とか体勢を立て直した。
「ごめんなさい、ルッキーニちゃん!
「う、うん。
パンツはかなり
だが。
「もう一度、コアに接近します」
そう言った芳佳の軍服の右
「芳佳、血!」
「自分で治せますよ。でも、今は……あいつを……」
「でも!」
「守るんでしょ、子分さんたちを? ルッキーニちゃん、そう約束したじゃないですか?」
「芳佳……」
「いきます!」
芳佳は上昇し、またネウロイの上方に回り込む。
ギュン!
ビームと
「どこ!? コアはどこよ!?」
シールドに棘がぶつかる度に、二人の
「……見つけた! あそこです! あそこにコアが!」
芳佳は指さした。
同時に、ルッキーニの
風、向かい風。
(今!)
トリガーを引くルッキーニ。
(
音速を
だが。
ピカッ!
突然、ネウロイのコアが、
銃弾はビームに
「何、あれ! 反則! ずっるい!」
「ど、どうしよ!」
「え、ええっと……ちょっと待ってて!」
芳佳はいったん
フィールドでビームをそらしながら、芳佳は棘の間を
「あれが……
小型ネウロイを
「いける……いって!」
「!」
ダダダダッ!
だが、ギリギリまで近づいての連射もすべて、回転する格子状のビームに
「……やはり、
だが。
「ルッキーニちゃん!」
芳佳はルッキーニを待たせていたところまで
「格子の
「ど、どうする気!」
背中から
「コアの真上に出て、そこから急降下します。私がルッキーニちゃんを
「無理だよ! あたしには無理!」
確かに、身体を回転させる速度が格子の速度とピッタリ合いさえすれば、格子は静止しているのと同じ。
だがそれでも、その隙間は銃弾が通り抜けられるギリギリの
「きっとできます! 私、ルッキーニちゃんのこと、信じてますから!」
急上昇をかける芳佳。
「……芳佳」
(そっか。リーネが言ってたの、こういうことなんだ。芳佳が勇気をくれるって……)
芳佳とルッキーニは、ネウロイのコアの上空に出た。
この高さからだと、巨大ネウロイが
「いきますよ!」
「もう! なるようになるわよ! マンマ・ミーア!」
ルッキーニがうなずくと同時に、芳佳は垂直に急降下する。
「回転速過ぎ!」
照準を合わせながら、芳佳に指示を出すルッキーニ。
芳佳はわずかに回転の速度を落とす。
「今度は
「はい!」
「もう少し……そう……今! バッチリ!」
格子と芳佳の回転速度が
「あたしがあたしを信じらんなくても……あたしには、あたしを信じてくれる仲間がいる!」
照準の先には、幅2cmの格子の隙間。
「この一弾に……乗っかれ、あたしの勇気!」
ルッキーニはトリガーを
M1919A6の
「……ったーっ!」
光に包まれるコア。
巨大ネウロイはゆっくりと
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