第一章 第二話
(どうして……こんなことになっちゃったんだろ?)
(私、お父さんに会いたかっただけなのに)
激しい
芳佳が
ブリタニアに
白い雲の上から
ドウッ!
またしても激しい
(お父さん、助けて!)
芳佳はギュッと目を閉じた。
と、その時。
「宮藤、居るか?」
「坂本さん!」
芳佳はすがるような目で、医務室に入ってきた
「なんだその顔は。情けないぞ、それでも扶桑の
安心させるように声をかけたのは、右目に眼帯をつけた少女。
一見して、扶桑皇国海軍士官と分かる制服を身につけている。
彼女こそ、坂本
芳佳がこの赤城に乗艦して、ブリタニアの地へと向かう段取りを整えてくれたウィッチである。
そもそも……。
学業成績、運動成績、ともに中の中。
特技は料理、
家は代々、地元の小さな
だが、今から一月ほど前、一九四三年七月のある日。
坂本の登場とともに、芳佳の日常は一変した。
歴史の大きなうねりが
「お前の才能はずば
突然、芳佳の目の前に現われた坂本は、芳佳を軍へと
「私は、連合軍第501統合
「すとらいく……?」
「私たちは、強大な魔力を
「あ、ありがとうございます」
「というわけで、その力を生かして、
「……へ?」
しかし。
「お断りします!」
芳佳はキッパリと首を横に
自分の夢は診療所を継ぐこと。
戦争に行くなんて
だが、坂本は笑ってこう予言した。
「お前は必ず、私の元に来ることになる」
そして、その翌日……。
一通の手紙が、芳佳を
突然、四年前に死んだはずの、父からの手紙が届いたのだ。
そして、息災であることを伝える手紙に
「でも……震えが止まらないんです……」
芳佳は坂本に
「さあ、顔を上げてこっちを向け」
坂本は芳佳の前にしゃがみ込むと、顔を近づけながら芳佳の
「……?」
ヒヤリとする感覚。
芳佳は、坂本が自分の耳に、何かを装着したことに気がついた。
「インカムだ。それさえあれば
「はい……」
「私は間もなく
坂本の目が、チラリと窓の方にゆく。
「た、戦うんですか、あれと?」
「そりゃそうだ。それが私たちの使命だからな」
坂本はおどけた調子で
だが、ネウロイとの戦いが死と
「私……私……」
芳佳は、かけるべき言葉が見つからない。
「お前はここにいろ」
一瞬、真顔に
「決してここを出るんじゃないぞ」
「でも」
「安心しろ」
坂本は芳佳を安心させるように、再び表情を
* * *
「ネウロイは、コアを
戦闘
「戦闘機隊は、敵ネウロイのコアを探しつつ、敵の
「
左右に展開する戦闘機隊。
坂本はそのままビームをかわしながら
「上ががら空きだ!」
高空からネウロイを見下ろし、ふっと口元に笑みを浮かべる坂本。
艦隊に向けてビームを乱射する
(地上攻撃に特化した、ということか)
かすかに感じる
坂本はそれを
だが。
「!」
魔力のシールドが発光しながらビームを曲げて、坂本の
「まるでハリネズミだな……」
坂本はいったんネウロイから
その坂本の
ネウロイのビームは
ウィッチの
「
「通常兵器では危険だ! コアの
* * *
同じ
「ブリタニアより入電! 第501統合戦闘航空団が本艦隊に向けて発進!
「坂本少佐に伝令!」
艦長は
* * *
「二十分か……」
空母の
(この
坂本を守るシールドにビームが当たり、
シールドの限界が近いのだ。
「みんなが来るまで、なんとしても
ウィッチの仲間に絶大な
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