お気楽読む読む修行帳

はる(haru8)

第1作目&目指せ*良書*500冊(作品)

 カクヨムオープン時からずっと作品を投稿&連載し続けて早6カ月。

 あっという間だった。

 自身の書く技術はどれだけ伸びただろうか? 読む目は育っただろうか?

 少なくとも、最初の投稿作品を全面改稿のために非公開にする程度には進歩したと思う。いまの私にとって、あのまま晒すのは拷問に近い。


 かつて大学院の修論提出日に、こんな酷い論文は出せない、留年してやり直したい、と製本ルームで泣き喚く同級生が数名出た。

 「毎年居るんだよな」と助手(助教授の一歩手前くらいの人)さんは慣れた口調で告げた――「いま酷いと思えるってことは、それだけ書き始めの頃から進歩した証拠だよ。そう思うならドクター(博士課程)まで行けばいい。まあ、その頃にはまた同じことを叫ぶと思うけどね」

 要は、それを一生続ける覚悟のある奴は上に進め、という戒め兼励ましだったのだろう。


 私はと言えば、社会人を経ての進学だったので、若者の前で醜態をさらしたくなかっただけで気持ちは似たようなものだった。決して満足のいく論文ではなく、屈辱の塊とも言えた。

 しかし、同じ場所に留まっていては何も変われない、進歩できないと感じていた。それが結果的に留学となったのだが、その先にまた新たな地獄が待っていたのは別話に譲る。


 あれから四半世紀以上経ったが、私のやっていることは相変わらずだ。

 しかし、一つだけ違うとしたら、それは私自身の「出来の悪さ」を多少なりともコントロールできるようになった点だ。


 私は怠け者なくせに、成果だけは欲しがる、欲張りん坊だ。

 この坊主を手懐けるには、やるべきことをルーティン化してしまうに限る。

 つまり、気付いたら自然にそれを熟している状態を作り出す、環境を整備してしまうのがコツだ。


 というわけで、私は本日よりここで毎日プロ作品を音読し、記録していくことに決めた。

 プロ作品の定義は、私が勝手に決める・笑 いいのだ、これは私の為の修行なんだから。私がこの人はプロだ、と決めた人が書いたものならOKとする。

 

*追記1:なお、私の「プロの書き手」定義は以前にも別エッセイに書いたが、

「伝えたいメッセージや想いを余すところなく読者に届けることが出来、読者の心を動かす筆力を持つ書き手」である。有償無償は関係ない。また想定外の解釈や受け止めが読者を感動させることも起こり得るが、それは書き手の意図を離れて読者に委ねられる部分と理解している*


*追記2:久保田氏より「良書500冊!」と喚起あり。何でも読めば良いというものではなく「良書」が条件であると(有難うございますm(__)m)当初よりそのつもりでいたが明記はしておらず、誤解を招いていていたら申し訳ない。

 ちなみに、何を以て良書とするか、についてはまた別の機会に譲る*


 音読は、必ず声に出して行うこととする。

 これは、黙読が異常に早く(職業病でもあるが仕方ない)ついいろんなものを勝手にすっ飛ばす癖があるのを防ぐことと、小説の技法として韻を踏むことやセリフのリズムや流れを体感しながら習得するのを目指したいからだ。


 一日一作品の音読を目指すが、作品の長さやボリュームに差があるので、ノルマにはせず、とにかくする、として、後は時間とエネルギーが許せば、ということにしようと思う。

 つまり、最低1章は音読+残りは黙読ルビを入力…、で読了を目指す。


 ただし、ここで絶対一日一冊読了なんて目標にすると、三日坊主になるのは見えている、それは経験からよーく分かっている。

 だから、1冊でなく、1作品として、短編でもOKとするのだ。


 そして、スタートはもちろん、『凍土の英雄』久保田弥代 作 である。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054880294543


 先日レビューもさせて頂いたが、ほんとに、最初の数行でここまで鷲掴みされてしまう作品には感嘆するばかりだ。


 冒頭の数行で、お話の世界観が見事に表現されている。

 その後ろに、どれだけの世界が広がるのだろうかと、読者の期待感は否応なく擽られ、ページを繰る手はもはや勝手に動くのだ。


 この作品に触れて以来、私は「久保田病」(氏の作品を片っ端から読みたくて堪らない&読了の度に自作を破り捨てたくなる病)を自認しているが、兎にも角にも、私の読む修行はここからスタートだ。


 目指せ500冊(作品)。


 作品(13,009文字)音読完了。20160915 13:25

 最初くらい全部音読しなくちゃね・笑 それにしても、ほんとに凄い作品だった。



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