“死にたくない”(side kelsi)


次の日も、ジェイソンは来てくれた。


バスケでヘトヘトの筈なのに、ね。


ジェイソンの顔を見るだけで、凄く嬉しくなって、笑顔になる。


「ケルシー、調子は大丈夫?」


ジェイソンは少し心配するような顔で。


「ええ、調子は良い方だから大丈夫」


私がそう言うと、ジェイソンは満面の笑みを浮かべてくれた。


その笑顔を見た瞬間に、何故か涙が溢れて溢れた。


「け、ケルシー!?」


いきなり涙を流す私をみれば、そりゃ誰でもびっくりするわ…私がびっくりしてるし…


ジェイソンは私を抱きしめてくれた。


優しい、私の大好きな匂いがした。


「…ジェイソン…私、前に…死ぬの、怖くない、って言った、よね?」


「あの時は、本当に…死ぬのは、怖くなかった…」


「だけど…だけど、今は…死ぬのが、怖い…!」


「死ぬ事が、怖くて怖くてたまらないの…!」


「死ぬって、何なの!?死ぬって、どうなっちゃうの!?」


私が全てを吐き出せば、ジェイソンは私の頭を撫でたり、背中をさすってくれた。


そして、優しい笑顔でゆっくりと話してくれた。


「死ぬのが怖いのは、皆一緒だよ…僕だって怖い」


「死ぬほうも、残されるほうも怖いんだよ」


なんて言ってくれた後、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

そして、少し小さめな声が聞こえた。


「…僕が君を絶対に死なせやしない」


この言葉を聞いた私は、とても安心して…嬉しくなった。


そして、私は歌を口ずさんだ。


「When I am down and,oh my soul,so weary (私が落ち込んで、心がとても疲れてしまった時)」


「When troubles come and my heart burdened be (問題事が起こって、そして心が苦しくなった時)」


「Then, I am still and wait here in the silence,Until you come and sit awhile with me (そしたら、私は立ち止まって静かに待つの、貴方が私の隣で一緒に座ってくれるのを)」


「you raise me up,so i can stand mountain (貴方は私を立ち上がらせてくれる、だから私は頂上にだって立てるの)」


「You raise me up,to walk on stormy seas (貴方は私を立ち上がらせてくれる、だから嵐の海も歩いていける)」


「I am strong,when I am on your shoulders (私は強くなれるの、貴方が支えてくれるから)」


「You raise me up to more than I can be (貴方は私を立ち上がらせてくれる、私が出来る以上にね)」


ジェイソンは上手だね、って笑って拍手をしてくれた。


「…ありがとう、ジェイソン」


「私、貴方の言葉で…生きる希望が湧いてきたわ」


そういうと、ジェイソンはまた、私をぎゅっと抱きしめてくれた。


私はその優しい温もりと大好きな匂いに身を預け、目を閉じた。

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