支えるということ
やっとワイルドキャッツの練習が終わって病院へ。
病室に入れば、ケルシーは笑ってくれた。
「…バスケ、お疲れ様」
ケルシーはいつもの様に笑う。
「今日も目一杯練習だったよ、みんなヘトヘト!」
そう言って笑うと、ケルシーも楽しそうに笑ってくれて。
そんなこんなで話していると、不意にケルシーが呟いた。
「ジェイソンは、どうしてこんな私に優しくしてくれるの…?」
彼女はただただ、僕を見つめた。
「…ケルシーだから、かな」
答えになってるのかならないのかわからない答えを返してしまう僕に、ケルシーはケラケラと笑った。
「私だから、なの?」
笑いながら、そう話す。
「…うん」
ケルシーは僕の手に、ふわりと自分の手を重ねた。
「ありがとう」
そう言って、笑顔を見せた。
「えっ、あ、ど、どういたしまして」
まさか、感謝されるとは思わなかった僕は、一瞬びっくりして、テンパってしまった。
「…これからも、嫌じゃなければ…私を支えて欲しい、の」
ケルシーは静かにそう言って、重ねた手を握り締めた。
「もちろん、支えていくよ…僕みたいな頼りない男で良いなら、だけど…」
そう切り返せば、ケルシーは幸せそうな笑顔を浮かべた。
「…貴方だから、良いの」
それだけを呟くと、ケルシーはそっぽを向いてしまった。
ちらっと見える頬はほんのりと紅く色づいていて、とても可愛らしかった。
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