2人の出会い


次の日、検査は昼過ぎからの為、暇で松葉杖をつきながらウロウロしていた。


松葉杖、慣れるまで大変だったけどね。


ある病室を通りがかると、女の子が居た。


上半身を起こせるベッドに横になっていた。


僕が気になって見ていたら、彼女も気づいたのか、僕の方を見た。


そして、ふわりと笑った。


僕は彼女の病室に入り、ベッドに近づいた。


「…こんにちは」


彼女は静かにそう言った。


「こんにちは」


僕が会釈して挨拶を返せば、彼女は笑って。


「…貴方は入院してるの?」


彼女は不思議そうに首を傾げて。


「うん、足の骨折っちゃってね…一応、足の詳しい検査するから、って1日入院してる」


僕は彼女の目をじっと見つめた。


「良いわね、貴方は退院出来て…普通に生活する事が出来るんだもの」


彼女はどこか寂しげな表情で。


「…君は、ずっと入院なの?」


僕が尋ねれば、彼女は頷いた。


「…私は、死ぬまでずっと入院よ」


「…まぁ、遠からず死ぬ事になるけれど…」


僕は驚いた。

彼女が、それほどまでに悪いようには見えなかったから。


「…死ぬ事は、怖い?」


僕はつい、口に出してしまった。

それを聞いた彼女は、少し笑った。


「怖くないわ」


「…病院に入院したあの日から…わかっていた、わかりきった事だったから」


彼女は凛々しい顔をして、そう話した。


「…そっか…僕はジェイソン、ジェイソン・クロス!君は?」


もっと、彼女のことを知りたい。


「私?私は…ケルシー、ケルシー・ニールセン…16歳」


同い年にもかかわらず、落ち着きが凄い。


「同い年だ、僕も16歳なんだ」


僕が笑って話せば、彼女も笑ってくれた。


それが、何故かとても嬉しかった。

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