第6話 開かない手紙

テテーン♪

【新着メッセージが1件あります】


「…え?」


突然響いた音と声に驚きながら周りを見渡す。


テテーン♪

【新着メッセージが2件あります】


直後またきた。


テテーン♪


テテーンテテテテテテーンテテテーンテテーンテテーンテテテンテーン……♪



「は!?えっ?!ちょっと!ナニコレ!!うっさ!!」



尋常じゃないほどの音が押し寄せてきた。



【新着メッセージが新着メッセージが新着メッセージ新着メッセージ新着メッセージ新着メッセージ新着メッセージ新着メッセージ新着新着新着新着しししししし新着メッセージが……】



「だーーー!!!うるせぇ!!!なんだよこれ!!どっからなってるんだチクショー!!」



デ・デ・デ・デ〜ン♪


「ベートーヴェンかよ!!!」



【はよ読めや】



「怖っ!!えっ?すんませんっ!?なに?!怖いんスけど!読めって?!何を?どうやって?!」




テテーン♪

【片手を上げて片手を胸に。肩膝付いて顔を上げる】



「え?ちょいまっ!片手を上げ……片膝ついて……」



言われる?ままにそのポーズを取る。


テテーン♪

【上げた手を横に振り抜く瞬間にスタープラチナ!と叫ぶ】


「お?おぉ……えっと…スタープラチナ!!!」


テテーン♪

【え?出るわけないじゃん】



「ちくしょぉぉぉぉおおお!!!」



「なんだよ!バカにしてんのかオイ!しかも適当だろこのポーズ!!違うだろ!!こうじゃねーよ!出るわけねーよ!!!」



テテーン♪

【クールになれよ】


「なれねぇーーよ!!」



耐えきれずに隣に生えてたゼンマイを殴る殴る殴る。俺がスタープラチナ化しそうだった。

そのままちぎれゼンマイは飛んだ。汁が光を反射し、キラキラと光りながら………



「ほんと頼んます!土下座でも何でもすんでホント教えて貰ってもいいっスかねぇ……」


テテーン♪

【手紙を開けるイメージをしながらメッセージと念じて】



(………メッセージ)


さんざんバカにされ疑心暗鬼に陥りながらもこれくらいならと思い試す。


【新着メッセージが86件あります】


「多っ!!!」


そんな文字が浮かんできて思わず声が出た。


「送り過ぎだろ!!」


テテーン♪

【この機能初めて使うからテンション上がっちゃって…テヘ♪】


「うぜぇ!!」


ちぎれ飛んだゼンマイの残りに拳を叩きつける。

拳の間から潰れたゼンマイの汁が飛び散り、光を反射しキラキr……



テテーン♪

【内容は全て送ったのでそれを確認してください】



「え?ちょまって!まだ確認したいことが!」




……


………………


………………………………ハァ





「……もう……疲れた…………」


顔を上げ零れそうな涙を抑える。






「フゥ……見てみるか」




……メッセージ!


【新着メッセージが86件あります】






1件目……


【あ、おかーさーん!今日の夕飯カツ丼がいいなー!あ、玉ねぎは柔らかくしてね♪】







「つぅぅおおおりゃぁぁぁああああ!!!!!!」



半分残った食べかけのゼンマイに渾身の蹴りを放った。根本から折れたゼンマイは弾け飛び汁が光を…………………

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