バレンタイン編
レイの日記③
そう。私だって女ですから、興味がない訳ではない。というか、興味バリバリにあるわ。
年に一回の大型イベント。全国の女性が奮起して事を運ぶ。己の人生を賭けて挑む人も少なくないはず。私はそこまでなる事はなかったけど、今年は違う。なぜなら、ライバルが現れたからだ。
だって、相手は幼馴染みよ? もうそれだけでもこちらは不利になるというのに、栞さんったら凄く羨ましいスタイルしてるんだもん。それに比べて私は――おいっ、誰だ今小さいって思ったのは! 小さくありません! 平均はあります! 訴えるぞ!
んん、話が逸れちゃったわね。戻しましょう。
まあそういうわけで、私も何もしないわけにはいかなくなったわけね。これまでみたいに身を引いているわけにはいかない。
でも、ご存知の通り私は幽霊。自分で用意したくても無理があるのよね。自由に動くことも触ることも出来ない。でも何かしなくちゃいけない。
だからまあ、あれも一応、意思表示というか……。
べ、べべべべ別にしたくてしたかった訳じゃないのよ!? 今言ったみたいに、私は何も出来ないからこういう時にしか出来ないという訳で……そ、そう! 苦肉の策というヤツね!
でも、後悔はしてない……かな? というか、どっちかと言うと嬉――えっ? 何をしたかって?
そそ、そんな事言えるわけないでしょ! はい、この話はもうおしまい! 私はもう寝るから!
そうだ。この事は秘密だからね? いい? もし、私が寝てる間に言いふらしたりしたら……
……ワカッテルワヨネ?
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