03

 で、次の日の朝。

「お手」

 目を覚ましたらいきなりそんな事を言われた。

「お手」

 にっこり微笑みながら繰り返し、右手を俺に差し出すように向けている女魔法使い。

 俺は犬かっ?

「あぁ、お早う」

 俺は投げやりに挨拶を済ませると起き上がって軽く伸びをする。

 床に直で寝るって結構痛いのな。

 背中と後頭部が痛い痛い。

「……むぅ」

 何か気の抜ける声がしたのでそちらを向くと女魔法使いが頬を膨らましてぶーたれていた。

 お手しなかっただけでぶーたれんな。

 いや、重力魔法をぶっ放さないだけでも大分マシか。

 もうあれ、軽くトラウマもんだよ。内臓が押し潰されていく感覚が特にな。

「何でお手してくれないのよ?」

 女魔法使いは若干半眼になりながらそう訊いてきた。

「犬じゃないから」

 俺は当たり前の事を言ってのけた。

「魔王は私のペットじゃん」

 女魔法使いはそんな事をほざく。

 ペットじゃねぇっつーの。昨日まではペット扱いを(一応)してなかったのに目が覚めたら設定補完が目的みたいに急にしてくんじゃねーよ。

 キャラぶれ過ぎだろお前。

「というか、今って朝か?」

 この部屋には窓というものが存在しないので(薬の実験をする場所なのに窓が無いとは危険極まりないが)外の様子を見て時間を判断する事が出来ない。

 なので女魔法使いに直接訪ねてみた次第である。

「うん、今は午前七時五十分」

 女魔法使いは懐から懐中時計を取り出して確認する。

 懐中時計をわざわざ出すならこの部屋に壁掛けの時計でも設置すればいいと思うのは俺だけだろうか?

 まぁ、何はともあれ、俺は何時もより遅く目を覚ましたようだったのは確かだった。

 俺は拉致される前は毎朝六時には起床していた。

 毎朝六時に起きて、歯を磨いて、顔を洗って、ストレッチして、朝日を浴びながらジョギングして気持ちのいい汗をかき、ジョギングから帰ってきたら軽くシャワーを浴びて、朝食を多めに食べる。

 実に理想的で健康的な朝の行動だと自負はしている。

 今日は拉致されて精神的に疲労をしていたのか(というか、肉体的にも疲労が溜まっているが)、眠りが深かったようで生活リズムを崩してしまったが、まぁ、仕方ないか。

 ジョギングは朝食を食った後の昼前に回して、まずは歯を磨いて顔を洗うとするか。

 俺は階下へ向かおうと歩き出す…………のだが。

「なぁ、下に向かう梯子を出してはくれまいか?」

 昨日の女魔法使いの話じゃ、こいつが降りる意思を見せないと階下へと続く梯子が現れないとか何とか。

 現在はそんな梯子は全然出現していないのであった。

「……お手するまでは出してあげない」

 ぷいっとそっぽを向く女魔法使い。

 餓鬼かよ?

 もう一度言うけど餓鬼かよ?

 ったく、拗ねんなっつーの。

 しかし、女魔法使いは俺がお手をするまで下に降りる気が無い気がする。

 下手したら昼を過ぎてもこの部屋に閉じ込められるって可能性も無くは無いな。

 それは勘弁してくれ。

 朝食はともかくジョギングには行かせてくれよ。

 俺は毎日のジョギングで体力をつけてんだからさ、ジョギングや魔法の練習って毎日の継続が本当に大切なんだぞ?

 一日しないと取り戻すのに三日掛かるんだぞ?

 俺は天才型じゃなくて秀才型だから努力を怠ったら一気にがくんと下がっていっちまうんだよ。

 魔王としての威厳が保てなくなるんだよ。たった一人の臣下に対してな。

 だから、下に降りて歯を磨かせて顔を洗わせて朝食食べさせてジョギングに行かせてくれよ。

 って心の中で愚痴っても仕方ないか。

 ……はぁ、しゃーない。

「ほれ」

 俺は状況を打破する為に女魔法使いの手首を掴み、掌を上にして、そこに俺の手を乗せる。

 女魔法使いは俺の行動に口を半分だけ開けてぽかんとしていた。

「したぞ、お手。だから下に行かせろ」

「え、あ、うん」

 ぽかんとしていた女魔法使いが頷くと、漸く階下へと続く梯子が出現した。

 ふぅ、これで漸く歯を磨きに行けるぜ。

 俺は梯子を降りて、下に存在する部屋へと降り立つ。

「なぁ、洗面所って何処だ?」

「あっち」

 女魔法使いが指差す方へと歩く。

 洗面台にはきちんと鏡があり、朝の俺の状態が確認出来た。

 何か中性的な面持ちの俺の眼の下には隈が形成されてて、明らかに疲労が溜まりまくっていると知らせてくる。

 いや、そんなのは些事だな。それ以上に気が滅入るのを確認してしまった。

「…………本当に角が無くなっちまったんだなぁ」

 鏡に映る俺の頭部を見て溜息が漏れる。

 手で触って角が無い事を把握はしたが、視覚的に確認するとこうも堪えるとは思わなんだ。

 そんな俺の頭部でナーバスな気分になりながらも、歯磨きをしようと歯ブラシに手を伸ばし……って。

「俺の歯ブラシねぇじゃん」

 ここ俺の城じゃないんだった。

 俺の使ってたマイ歯ブラシがある訳ないじゃん。

 どうしよう?

「はい」

 と、困っていたら横から女魔法使いがにゅっと現れて歯ブラシを差し出してくる。

「これは?」

「魔王の為に買ったやつ」

 そう言って女魔法使いは俺に新品の歯ブラシを渡し、洗面台に置いてあった歯ブラシを手に取ると、蛇口を捻って水を流し、ブラシ部分を濡らして歯磨き粉をつけて歯を磨き始める。

 拉致した相手の歯ブラシを買うって、なんとも用意周到な野郎だな。

 まぁ、使わない理由は無い訳で、折角買ってくれたのだから使うとするか。

 俺も真新しい歯ブラシのブラシ部分を濡らして歯磨き粉をつけて歯を磨く。

 真新しいが故に、ブラシ部分は妙に固かったが、まぁ、歯茎を傷つけるような程に固くは無いが、何時もと違う固さにちょっと違和感を感じるな。

 きちんとぴかぴかに磨き終えて後は口の中を漱ぐだけなんだが。

「なぁ」

「何?」

「俺のコップは無い訳?」

「無いわ」

 女魔法使いは自分のコップに水を満たして、その水を持ってして口の中を漱ぎながら申されたのだった。

 いや歯ブラシを用意してくれたんならコップも買ってくれよ!

 これじゃ俺は手に水を溜めてワイルドに漱ぐ方法しか残されてねぇじゃん!

 勘弁してくれよマジでっ!

「はい」

 そんな事を心の中でシャウトしていたら女魔法使いが使い終わったコップを差し出してくる。

「は?」

「どうぞ」

 そう言って先程女魔法使いが使っていたコップを押し付けてくる。

 …………え~っと、これを使うのは流石に無いんじゃないかな?

 だってさ、コップの使い回しとかはその、何ていうかさ、普通なら気にするじゃん?

 特に異性相手とかならさ、関節――じゃなくて間接キスになっちまう~とかそんな感じにならねぇ?

 少なくとも、俺はそう思うよ。

 間接キスになっちまうんじゃねぇの?

 いや、水で軽く中を洗っていたから違うのかもしれないけど、これは俺の気持ちの問題だ、うん。

 なので、俺はコップを静かに置いて、掌に水を溜めてワイルドに口を漱ぐ。

「…………ちぇ」

 女魔法使いは軽く舌打ちをしていやがったよ!

 こいつ間接キスを狙っていた確信犯だよ!

 ったく、油断も隙もありゃしない。

 隙を見せたなら、本当に貞操危機に陥りそうな気がするよ。

 さて、次は顔を洗うか。

 洗面台に置かれた石鹸を水で濡らして泡立たせ、それで顔を洗う。

 女魔法使いは俺が置いた石鹸を取って同様に泡立たせて、同様に洗顔を始める。

 今更だけどさ、洗面台はあんまり広くないから、女魔法使いと横に並んで顔を洗ってるのは狭いんだよなぁ。

 というか、俺はこいつが終わるのを待っているべきだったんじゃないか?

 女魔法使いはここの家主である訳だし、優先順位的にも女魔法使いの方が上位だ。

 拉致された相手に気を遣う意味は無いかもしんないけどさ、それでもこういった上下関係(?)はきっちりとしておかないとな。

 そんな訳で、俺は一時的に洗面台を後にしようとする……のだが、女魔法使いが器用に片手だけで洗顔をし、空いた手を俺の服の裾を掴んで離さないでいる。

 いや放せよ、俺がいない方がまだ広々としてるだろうが。

 そんな心の訴えなぞ聞こえる訳も無く(テレパシーを使う気にはなれない。あれは最終手段だ)、女魔法使いは俺の服の裾を掴んだまま顔に着いた石鹸の泡を水で洗い落としていく。

 そして、水で濡れた顔を拭いていく。

 俺の服で。

「ってちょっと待たんかワレィ!」

「何?」

 女魔法使いはきょとんとする。

「何? じゃなくて俺の服で顔を拭くなよ! 逆に汚れるだろっ⁉」

 俺の服は四日――いやもう五日か、そんだけ連続で着ている筈なのだ寝込んでたし。

 だから服は当然汚れているだろうから、こんな布で顔を拭いたら汚くなっちまうっつーの!

 全く、女魔法使いは何処か抜けてるんだから!

 …………って、何か俺さ、何故か女魔法使いの保護者みたいな思考回路が形成されつつあるんだけど。

「別に魔王の服は汚くないよ」

 いや汚いから、自分で言うのも何だけど!

「私が毎日魔王の服を着せ替えてたし」

「着せ替えてたのかよ!」

「今朝も」

「今朝もっ⁉」

 よく男物のパジャマが一人暮らしの女の家にあったな⁉

 もしかしてわざわざ買っていたのか⁉

 拉致した相手に気を遣い過ぎなんじゃねぇのか⁉

 ……って、ちょっと待てよ。

 今、女魔法使いは俺の服を着替えさせていたと言ったな?

 もしかして、いやもしかしなくともそれはパジャマだけでなく、下着も替えていたという事だろうか?

「なぁ、お前って俺の下着も取り替えてた?」

 俺は顔が引き攣りながらも、そんな事を直接訊いてみる。

「もちっ」

 女魔法使いは親指を天高く上げて、無表情だか何処か達成感に満ち溢れた清々しさを兼ね備えた顔でそんな事をのたまりやがったよ!

 誇る要素が何処にもねぇよその行為に!

「いぃぃやぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああっ! もう御婿に行けないぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」

 そんな絶叫を上げるのは状況的に違うのかもしれないけどさ、睡眠薬で眠らされていたとは言え(今朝は違うけどな!)、異性に、しかも年頃の娘に全裸を見られるのはもう羞恥心が爆発させられるっつーか、羞恥の心がなんやかんやっつーか、羞恥が羞恥を越えて新たな羞恥が誕生するっつーか、何かもう何言ってるか分かんなくなってきたよ!

 助けて臣下! 婿に行けなくなった俺を娶ってくれ!

 あ、ついでに言っとくと臣下は女な!

「大丈夫。魔王はもう私の婿だから」

 女魔法使いが得意満面に応える。

「何かさっきよりもランク上がってねぇか⁉」

 昨日はペット兼彼氏、さっきはペット、今度は婿と来たか。

 予測出来ねぇよ、段階跳び過ぎだろ、まだ俺とお前は結婚どころか正式な彼氏彼女の関係ですらねぇ以前に拉致被害者と拉致加害者の関係だってぇの!

「それに、魔王は逞しかったよ」

 と、女魔法使いは頬を紅潮させながら、そして目を逸らしながらそんな爆弾発言っぽい発言を投下した。

「俺の身体つきの事だよなっ⁉ 俺の程よい筋肉のつき方の事だよなっ⁉ 逞しかったってのはそういう意味だよなっ⁉」

 自分で言うのも何だけど、毎日欠かさずジョギングしてるし、魔法の練習してるし、筋トレもしてるから程よく脂肪が燃えて程よく筋肉がついたか身体なんだよ!

 臣下からもよく「魔王様は健康的な肉体の持ち主ですね」って言われんだよ折り紙つきなんだよ!

 だからさ、きっと女魔法使いが逞しいって言ったのは俺の身体つきの事なんだよ!

 そうだと言っておくれよマイハニーっ!

 いや、別に女魔法使いは俺のハニーじゃないけどさぁ!

「……………………うん」

 だからお前さんは頬を紅潮させながら言うのをやめぇい!

 逞しい部分を変に誤解しちまうだろうが!

 一刻も早くこんな羞恥プレイ(違うかもしれないけど、俺にとっては間違いなくそうなのだ)から抜け出す為に即行で水で泡を落として掛けてあったタオルで乱暴に顔を拭ってその場を去る。

 俺はもうジョギングに行こうと玄関扉に手を掛ける。

 パジャマ姿のままだけど、クールダウンを早くしたかったからそんなの関係ねぇ!

 俺の靴もねぇから裸足でジョギングする羽目になるけどそんなの関係ねぇ!

 というか、今朝も着替えさせたのに昨日と同じ格好(パジャマ)とは、一体何着同じ服を買い揃えたのだろうか?

 何て疑問を彼方へとバッティングし、いざ、ジョギングへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへっ⁉

「……逃げる気?」

 女魔法使いが例の怖い笑顔で重力魔法(いきなり5G!)をぶっ放しやがった!

『逃げるって何が⁉ 俺は単に日課のジョギングに行きたかっただけなんだけど⁉』

 俺は口が動かなかったのでテレパシーで会話をしようと頑張る。

「ジョギング?」

『そうだよ! 俺は毎朝ジョギングして心地いい汗を流して体力作りをしてんの!』

「……そっか」

 そう呟くと、女魔法使いは重力魔法を解除した。

 た、助かった……朝一番に重力魔法、しかも5Gはきついぜ。

「じゃあ、行ってもいいよ」

 女魔法使いからお許しが貰えた。

 許しを貰えた事にこんなに嬉しく思ったのなんか初めてだよ。

「でも、まずは着替えないとね」

 そう言うと、女魔法使いは懐からジャージを(へっ⁉)一式二つずつ取り出す。

 どうなってんのよお前の胸元の空間はよ?

 異次元か四次元にでも繋がってんじゃねぇだろうな?

「はい、こっちが魔王の分」

 女魔法使いは取り出した二つのうち、黒い方のジャージを(ダブルジッパータイプだった。格好いい)俺に渡す。

「あ、ども」

 俺はそれを素直に受け取る。

 やっぱり運動する時はジャージが一番だよな、動きやすいし、通気性抜群だし、今冬だけど、これ生地が薄いけど保温効果が高いジャージだから防寒も少しは大丈夫そうだし。

「で、こっちが私の」

 そう言って女魔法使いは残った薄桃色のレディースのジャージを着始める……って待てやオイ!

「ここで着替えんなや!」

 異性を目の前にしてこいつは何の躊躇いも無くローブを脱いで下の服も脱ごうとしてたぞ!

「え? 何で?」

 何でってこっちが逆に何でって訊き返したいわっ!

 お前には恥じらいというものが無いんかい!

 仕方がない、俺がこの場から洗面台方面に立ち去ってそこで着替えるとしよう!

 俺は紳士だからな、女性のあられもない姿を目に焼き付けはしないさ!

 そうと決めた俺の行動は素早く、即行で洗面台へと赴き、ジャージに着替えて女魔法使いが着替え終わるのを待った。

「まだか?」

「着替え終わったよ」

 終了の言葉が聞けたので、俺は洗面台から玄関へと向かう。

 確かにジャージに着替えており、だぼだぼ感がある俺とは違って結構ぴったりとしていたが、その所為で女魔法使いの胸の膨らみの無さを強調しているようで……いえ、何でもないですはい。

 言ってしまったら、重力魔法がフリカカッテ キソウ ナンダモン。

「じゃあ、行こう」

 そう言って女魔法使いは懐に手を突っ込んでランニングシューズを取り出す。

 本当、便利だなお前の胸元の空間は。

「って言うか、今更の確認だけどお前もジョギングに行くのか?」

「もちっ」

 長い髪を後ろで纏めてポニーテールを形成させながら女魔法使いは言った。

「まぁ、いいけど」

 だったらペース配分を女魔法使いに合わせないといけないだろうか?

 いや、合わせる必要ない気がする。

 今の俺は人間男子の平均よりちょい下の力しかないから大丈夫だろう。

 俺は女魔法使いから(ジャージを着ると魔法使いに全く見えない)ランニングシューズを受け取り、それを履いて外に出る。

 外は家の中と違い冬という季節柄結構寒かったが、ジャージの性能が高い為かあまり凍える程ではなかった。

 昨日は窓からしか外の景色が見えず、しかも夜だったので周りの風景が見えなかったのだが、今は朝の光が満ち溢れているので景色を確認出来た。

 女魔法使いの家はどうやら森のど真ん中に立っているようだった。

 家の周りには木々が生い茂り、玄関から出て直ぐの所にはポストが鎮座しており、朝刊と雑貨屋の特売のチラシが中に入れられていた。

 また、目の前には一本の道が奥へと続いているが、恐らくこの道が近くの人間達が住んでいる村へと続いているのだろう。

 森の中にいるからか、空気が旨いと感じる。

 魔王城も森の中に立っているが、人間の住んでいる地域に生えている木の方が澄んでいる気がする。

 っと、そんな事を思っている暇は無いな、早いとこ走り始めないとな、経緯はどうあれ折角朝のジョギングが出来るようになったのだから時間を有効に活用しよう。

 その前に準備体操をするのを忘れずにっと。

 俺が準備体操を始めてると、女魔法使いが俺の傍に寄って来た。

「何だ?」

「念の為に」

 そう言いながら、女魔法使いは昨日俺に付けていたリード付きのペット用の首輪を嵌めるのであった。

「……何で?」

「逃げるといけないから」

 女魔法使いはリードを手に持ったまま準備体操を始める。

 ……あぁ、そっか、今俺は外に出てるんだよな。

 ……逃げようと思えば、逃げれる状況にいるんだよな。

 逃げようなんてこれっぽっちも思ってなかったわぁ。

 ジョギングの事しか頭に無かったわぁ。

 外に出た瞬間にダッシュしてれば逃げれたかな?

 いや、女魔法使いが逃げる俺を視認出来ていれば重力魔法を使われて潰され、視認出来ていなければ電撃魔法を使われて黒焦げになってただろうな。

 逃げる何て考えが浮かんでこなかった俺の脳味噌は無意識のうちにナイス判断を下したようだ。

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