アルストルーク編#4・・・スターベックス。
やっぱりここは元の三次元世界とは違う。
その考えを決定ずけてくれるのはやはり・・・人種、街並み、風景だった。幸いにも言葉の壁はなさそうだ。
俺は背中にぴったりとくっ付き虫かのように隠れながら歩いているシイナに案内を受けながら、例のオフ会の場所になっているらしいカフェへと向かう。
「おい、シイナ。ちょっとくっ付きすぎだって。」
いやいや、そんなことは建前だ。今俺の背中にはやわらかい何かがちょうどいい具合に当たっている。
こんな状況で嫌がる男がいるものか(童貞)。
しかもまた物が上物である。推定・・・C、いやDだな。決してどこぞのラノベのようにでかい又は小さけりゃステータスのような特徴的なものではない。しかし、
柔らかい・・・。ちょうどいい。これこそが――――――――やめておこう。ゲススギルが上がるだけだ。
「ごめんなさい。でもやっぱり魔力がきれちゃうと・・・」
シイナは申し訳たたないようにオドオド謝っていた。
いや、全然いいよ。むしろもっとくっ付いて・・・なんて言えないけど。
しばらく歩き商店街のような場所を抜けると少し落ち着いた雰囲気の場所にたどり着いた。
人の通りもそこまで多くなく、時間がどことなくゆっくりと進んでいるようなところだ。
緩やかな坂道を進んでいくとそこには一つの中規模なカフェとおぼしき建物があった。
「ここ?」
俺は一度その建物の前に立ち止まりシイナに尋ねた。
「はい。今大人気のスターベックスです。でもここは町の中心部より少し離れているのでそこまで混んでませんよ」
「そうか・・・なんか、俺が想像してたのは路地裏にひっそりとたたずむカフェだったのにな。」
「そんなことないですよ。ここだって今大注目されてる大型人気チェーン店なんですから」
(`・∀・´)エッヘン!!と少しドやりながら説明していた。
「うんまあ。確かに雰囲気はいいな。でも、チェーン店っていうのがどうも煮え切らないんだよな」
「大人気をつけわすれてます!」
「はいはい」
シイナとはここに来るまでにわだかまりなく話せてるようにはなったと思う。
こんなに自然で楽しい会話をしたのは生まれて初めてかもしれない。
「ここに他にもオフ会に来てるメンバーが待ってるのか?」
「はい。みんな個性豊かな人たちで楽しいですよ」
シイナを見たかぎり個性豊かすぎて、少しついていけないところがある・・・心配だ。
「シイナはその人たちと面識はあるのか」
「もちのろんですよ。じゃないと心臓飛び出て死んじゃいます」
「ごもっともだな」
シイナはに三段あるくらいの階段に上り、入り口と思われるドアに手をかけた。
さすがにそこは手動であった。もし自動なんかで空いたらなんか世界観丸つぶれだ。
入店すると「いらっしゃいませー!」と若いハーフエルフのお姉さんが出迎えてくれた。無論、シイナは子猫のように素早く俺の背後へ隠れた。
「どこで待ってるんだ」
「あっちの席です。」
店内にはカウンター席、二三人用の席、ファミリー席があった。さすが大人気というだけでそこそこの人は入る店の奥行き感と席の数がある。
しかし、シイナの言っていた通りあまり人がいない。ホントに穴場なのだろうか、俺らにとってはうれしいがお店側にとっては複雑なのだろうか。
シイナの後についていくとファミリー席のところに男性二人に女性が二人向かい合うように座っていた。
だが一つおかしな事があった。俺とシイナが喋りながら歩いてくるところをまるで超超絶美少女をみたかのよう・・・・お化けを拝んだかのようにめんたまが飛び出るんじゃない
いかと思うくらいの形相でこちらをうかがっていた。
あまりにもこわかっので見てみぬふりをしようとしたが、俺の前を歩いているシイナはそのファミリー席の前で立ち止まったのである。
まさか・・・。
「お待たせしました。今日、このオフ会に参加してくれるコータです。ちょっと色々あって魔力が切れっちゃったみたいで・・・」
「よ・・・よろしくお、ねがいします」
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