第2話 街コロだよ! バトルちゃん!

 未来からユーカリが丘高校に転校してきた東雲しののめバトルちゃん。その目的はバトルちゃんの父親の会社『ボドゲ屋本舗東雲グループ』を倒産に追いやったライバル企業『八神コーポレーション』をいずれ創立する八神太一の抹殺(?)だった。

 しかし、ゲーム業界への隠れポテンシャルがある太一を、地味に狙っていたのはバトルちゃんだけでは無かった事を、まだクラスの誰も知らない。


「……八神太一、いつか私のしもべとなる男か」



 ボードゲーマー! バトルちゃん!

 第2話 街コロだよ! バトルちゃん!



 ×  ×  ×



「わー、バトルちゃんのお弁当かわいいー!」


「ホントだ! 小さいおにぎりがサイコロの形してるー! かわいい!」


「ニンジンも人生ゲームの車コマみたいに細部まで表現されていて、バトルちゃんのボードゲームに対する自己の内的なヴィジョンをお弁当に投影した、唯美主義者ゆいびしゅぎしゃの象徴とも言える作品ね! かわいいー!」


 バトルちゃんは持ち前の明るさで、すっかりクラスに溶け込んだらしく、今は友達とお昼ご飯の展覧会をしている。未来から来たと言っても女子高生、「このトマトかわいい!」「こっちの旗もかわいい!」「ボードゲームかわいい!」、と言葉のほとんどが「かわいい!」で修飾されていた。新ジャンル、未来人スイーツ。


「八神どの、拙者は女の子のかわいいが理解できないですぞ……」


「大丈夫だ、間違っているのは俺たちじゃないはずだ」


 対して俺の今日のお昼といえば、肉肉肉のジェットストリームアタックに唐揚げにSKGしょうゆかけごはん、一面茶色でオールコンプリート、また、お弁当がない日は購買のパン。そして目の前にいるのは、女子に苦言を落としつつ、にやにやと鼻の下を伸ばしながら、変態の眼差しで見つめる忍者だ。完 全 敗 北。あと、シレッと言っているが、ボードゲームは可愛くないから。


「あー、もう、太一は細かいこと気にしない!」


 トマトにフォークをザンッと突き刺しながらぷりぷりと怒るバトルちゃん。……さっきまで「かわいい」と持て囃されていた、トマトからドバッと果肉が飛び出る。これですよ。


 バトルちゃんが来てから押掛け女房のようなドタバタはあったものの、こんな平和な日常が毎日続けば良いのに、とは思えるぐらいは平凡な青春を楽しんでいる。我ながら実に願望欲の少ないエコな性格だね、なんて考えていると厄災の女神はいつも俺を見守っているようで、突然教室の扉が勢いよく開かれて面倒事がやってきた。


「八神太一はいるか!!」


 華奢な腕で扉を押し開けながら、そこに金髪ゆるふわカールの美少女が立っていた。加えて俺にとって都合の悪い事に、その美少女は俺の名前を呼びつけたもんだから、刹那、クラスの男子の俺を見る目が「アァンッッ? ンダッコラッ!」と田舎のヤンキーへと変貌へんぼうした。さようなら日常、そしてこんにちは嵐の日よ。


「どうやら、そこにいる男が八神太一だな。未来で八神コーポレーションを創立すると聞いてはいたが、まさかこの冴えない男が……? いや、しかし……うーん、本当に冴えない。薄目で見れば辛うじて……やっぱり冴えないな」


 ツカツカと革靴の音を鳴らし、疑念の相を浮かべながら、真っ直ぐこちらに向かう金髪の少女。ゆるふわカールをしているが、同じ高校生とは思えない。漫画に出る様なお嬢様特有な高貴とでもいうのか、気品溢れるオーラを放っている……。Ca⚪︎Camを読んでいた女子や、月刊ボードゲームを広げていたバトルちゃんですら手が止まり、その少女を見ている。冴えないとは失礼な。でも否定できない、悔しいッ。


「太一どの、あの子は1年B組の華花零はなかれいちゃんでござる。あの日本でも有名なアミューズメント一体型ホテル、帝国華花グループのお嬢様ですぞ。太一どの何か黒服の男にでも喧嘩でも売ったのですか?」


 帝国華花と言えば千葉県佐倉市ユーカリが丘では知らない人はいない


「帝国華花!? なんでそんなお嬢様が俺の所に来たんだ。あ! あの獲物を捕らえるかのような目付き、絶対怒っているよ。やべーぞ! 何か怒っているんですけど!?」


「南無でござる」


 太一が恐怖に駆られて目線をそばに逸らすと、忍者がこちらを向いて素早く右手で十字を切っていた。


「忍者ァァァァ! てめー人事だからって」


 俺の前で止まる華花。その瞳は蛇のように大きく、ちらりと見ただけで吸い込まれそう。これが本物のお嬢様オーラというやつか、向こうで鼻水を垂らしているバトルちゃんとは大違いだ。


「あなたが八神太一ね」


「は、はい……」


「はぁ、やっぱり……。こんな冴えない男が……」


 疑念を交えつつもりんとした表情の華花だが、どこか様子がおかしい。気が付けば整った顔はほのかに赤みを帯び、震えている。お嬢さん、トイレ? トイレなら教室を出て右ですよ?


「こんな男が……どうして私の」


「わたしの?」


 華花の顔はとうとう真っ赤っか、震える唇を開きながら叫んだ。


「どうしてこんなのが私の許嫁なのよ!! お父様!!」


 な、な、な、なんだってーー!!


 "許婚(いいなずけ、いいなづけ)とは、現在の概念では幼少時に本人たちの意志にかかわらず双方の親または親代わりの者が合意で結婚の約束をすること。また、その約束を結んだ婚約者をさす言葉。許嫁とも書かれる。


 許婚という語には、結婚を(家など)当人以外のものが決定するニュアンスがある。そのせいで、個人の意思を尊重する人たちから嫌われることもある。なお、この語自体には元来、女性蔑視けいしの意図はない"


 ――wikipediaより抜粋。


「どういう事かな、太一? 仮にも僕というものがありながら許嫁とは?」


「バトルちゃん! 落ち着け! 2話で既にヒロインとして影が薄いからって、張り合わなくていいから!」


「バトルどのだけでは無く、華花どのにも手を出すとは、太一どのばかり羨ましいですぞ!」


「ええい、忍者も話をかき乱すな! それにいきなり何だ、許嫁って。俺の親父が華花グループ関係者と知り合いはいないぞ!」


 クラスメイトに「太一、てめぇ!」と腕やら足やら掴まれ、新日本プロレス状態になった太一は辛うじて塞がれていない喉から声を出した。


「ま、待て、プロレス太郎……ロッカーの上に立って今にも俺の方に飛び降りムーンサルトプレスをしそうな体勢になっ……やめ、やめ、やめろォォォー!!!」


 ゲボッ!!


「知らないわ! 私のお父様が決めた事よ。ばーか」


 この惨劇を巻き起こした嵐生成器こと華花は、女性陣よりも精神年齢の低い男性陣のことを、腕を組みながら見下ろして口をイーの形にした。


 ×  ×  ×


「……んで、華花さんは何でここに来たのですか?」


 太一はサンシャイン・マグナムが直撃したように赤く腫れたお腹をさすりながら華花に聞く。いつの間にか長方形の卓を囲んでいる忍者とバトルちゃんも先ほどの爆弾発言に興味津々だ。


「私のお父様は華花グループの社長だという事は知っているわね。実は日本で大企業になれたのは、お父様が経営者として敏腕だっただけではなく、占い師であるお母様もいたからなの。新しい形のホテルを予知しては百発百中、まさに天才占い師よ」


「そういえば噂には聞いたことがあるですぞ。華花夢幻はなかむげん。彼女の予言は幸せを願う人の道標となり、恋愛成就間違いなしの佐倉市の伝説の占い師でござる。まさか華花どののお母様であったとは……」


 佐倉市の伝説の占い師……。ローカルすぎる……。それに新宿のママに通じる胡散臭さがあるなと太一は苦笑した。


「そんなお母様が『暇つぶしにあんたの婿さん占ったるわ〜』、と私の結婚相手を占ったら、未来で大企業を創立する男が視えたのよ! それが」


「忍びのプリンスこと拙者だったということですな?」


 刹那せつな、忍者の体が浮かび上がり、教室の壁まで吹っ飛ばされた。頬には赤い腫れと小さな拳ひとつ分のあと。華花の裏拳だ。煙立つ彼女の拳を目の当たりにした太一とバトルちゃんは、


「……ビューティフォー」


 ポツリと声を漏らす事しか出来なかった。


「くだらない話をしている場合じゃないわ。今日私が来たのは、八神太一、あなたの素質を測りに来たのよ。この私、そして、アミューズメントホテル、華花グループの跡継ぎに相応しいか確かめさせてもらうわ!」


 握っていた拳を解き放ち、頭上に掲げる華花、その手が掴んでいたものを見て、バトルちゃんの目が大きく開かれた。


「そ、それは! 街コロ!!」


 ――街コロ、ボードゲーム界において世界で最も権威あるアワード「ドイツ年間ゲーム大賞2015」で、日本生まれでは初の大賞ノミネートという快挙を成し遂げたボードゲーム。

 富士山を背景とした親しみやすいパッケージから日本だけではなく、海外からもファンが多い。19種類の基本セットだけでも楽しいが、さらにカードの種類を増やした拡張セット「プラス」と「シャープ」も合わせて手に入れたい。2016年8月にはスマートフォンアプリ「街コロマッチ!」もリリースされ、日本アナログゲーム界のリーダーとして注目されている。



「ルールは簡単、街を発展させながら『駅』『ショッピングモール』『遊園地』『電波塔』の4つの大型施設を先に完成させたプレイヤーが勝利する、というもの」


 バトルちゃんの良く分かる解説!!

 ぶんぶんと腕を振るバトルちゃんを見ていると、こいつも何だかんだヒロインとして出番が欲しかったんだな……とわびしい気持ちになるな。


「街コロでは、自分の番と他の人の番で振られたサイコロの出目によって手元の施設カードの効果が発動して、その効果に応じてコインをゲットできる。例えば……」


 バトルちゃんは手元にある「1」の数字が書かれた「麦畑」のイラストを掲げた。


「『麦畑』は1の目が出れば誰のターンでも銀行から1コインをゲットでき、『パン屋』は2か3の目を出すと銀行から1コインがもらえるわ。他にも、自分のターンじゃないと効果を発動出来ない代わりに貰えるお金が大きかったり、人からお金を奪えるカードもあるわ」


 ハードボイルド映画のように教室の壁に背中を預けながら、忍者がポツリと呟いた。


「――街コロ、ポップな絵柄とは裏腹に他人のお金を奪いあう、まさに弱肉強食、貧しい町は富ある町に食い物にされる、恐ろしいゲームですぞ」


「嘘だよね!? その設定いる?」


「「「いるに決まっているでしょ!」」」


 3人の声が、綺麗に重なった。仲良いだろお前ら。



 ×  ×  ×



 さあ! 始まりました! ユーカリが丘高校ボードゲーム杯! この日の勝負を見るために、多くの豪華なギャラリーが集まってくれました! 説明四太郎せつめいしたろうさん、今回の決戦どう捉えますか?


 今回の獲物は街コロですからね、選手の皆さんがどの様な戦略で来るかが非常に楽しみですね。


 戦略ですか……具体的にどの様なものがあるのですか?


 例えば、稼ぎは少ないけれど他人のターンでも稼げる農場型、自分のターンでしか稼げないけれど収入がどデカイ店舗型、他にも略奪型などがありますね。


 なるほどなるほど、選手は戦場下でそれらの作戦を柔和に使いこなすのですね。奥が深そうです。おおっと、ここで会場に動きがありました!


 北は玄武げんぶ! 踏み入れる足、将来のデジタルゲームマスター、俺が世界のアナログを終わらせてきた、八神太一選手の入場だァァァァ!!!


「……いつこんな試合会場が設営されたんだよ」



 南は朱雀すざく! 音もたてず、戦国時代から脈々と続くお家芸、拙者がモテないのはどう考えてもござる口調が悪い、忍者選手〜〜〜〜ッ!!!!


「緑は害虫ですぞ」



 西は白虎びゃっこ! でかぁぁぁあい! 説明不要、スリーサイズB87、W59、H85! 王女の名は誰もが忘れない、華花零選手だぁぁぁあ!


「1時間の間に華花グループの席を空けておけ、あと八神太一の履歴書もな」



 私たちは君を待っていたんだ!! 未来から、ずっと! 恋するボードゲーマー東雲バトル選手、東の青龍せいりゅうから登場だァァァァ!!


「ぶんぶくたぬきのティーパーティー3巻絶賛発売中よ」



「以上ッ!! 歴戦の4人による全国高校生街コロマッチを開催する!!」



「なんでグラップラー刃牙風の選手紹介なんだよ……」


「東雲どのと華花どのは案外と言うか予想通りと言うかノリノリでござったな」


「忍者、お前もなんで選手の一人にエントリーしているんだ」


「ノンノンノン、太一どの、拙者が何故ここにいるのか分かっていないようでござるな。勝利に関係のない拙者がいるという事は、太一どのにとって有利なのでござるよ」


「まさか忍者……お前、俺をサポートする為に!」


「太一どのと拙者は同じ釜の飯を食った中でござる。ならばその太一どのの将来、奪われようとするならば忍者、救わずして先祖に顔向けできようか、いや天誅てんちゅうが下るですぞ。勝つでござるよ……! 太一どの!」


 パァンと乾いた音が広い会場にこだました。


 太一は気が付かなかった。

 背後にいる華花零と、忍者の目が合った事を。


 ――――――

 ――――

 ――


 ――1時間前。


「華花どの、いま何と申した?」


「ああ、この試合に勝利したあかつきには、お前を華花親衛隊の近衛隊長このえたいちょうにしてやると言ったのだ」


 近衛隊長、それは容姿端麗たんれいな華花零への憧れが結成させた女子高生軍団。彼女たちもまた美人ぞろいで、男子生徒たちは華花親衛隊と呼んでる。


「せっ拙者を……! おなご欲しさに友を裏切る輩だと、拙者を愚弄ぐろうするな! 拙者には太一どのという友が、親友が! 拙者と太一どの何を知っている! 何を知っているでござるッッッ――――」



 むかしむかし、公園の木陰に男の子がいた。

 砂浜には子供達が遊んでいるのに、胸元に「忍」とプリントされたシャツを着た男の子だけが仲間外れだった。

 忍びの道を歩む彼には、陽の当たる者との距離が分からなかった。眩しい眩しい、向こう側には交われない。ましてや友達なんて、そう思っていた。


 ――八神太一と出会うまでは。


 君はどうして隅にいるの?

 ……せっしゃは忍びのものでござるから。

 君はどうして遊ばないの?

 ……陰と陽は一緒にいられないものですぞ。


 じゃあ、君はどうして泣いているの?

 …………せっしゃも、友だちが欲しいですぞ。


 

 忍者ー、あそこの家に下着が干してあるぞ!

 あれはBBAの下着でござったぞ!! 騙したでござるな!!


 忍者ー、俺も忍法を使えるようになったぜ! 見てろ、忍法逆さスカートの術!

 太一どのがボロ雑巾のように殴られているでござる。


 忍者ー、町の外れのコンビニまで、エロ本立ち読みしに行こうぜー!

 やれやれ、太一どのはいくつになってもエロガキのままでござるな。



 ――少し昔を思い出してしまった、と柄にもなくセンチメンタルな感情が忍者の心を温かく撫で、対照的に華花を写す瞳は鷹のように冷たいものだった。

 太一という親友との絆を馬鹿にされた、そんな気持ちが何よりもまず先行していた。


「……拙者はしのぶ者と書いて忍者。忍ぶはただ堪える事だけではないでござるよ、人を思う、しのぶ心も持ち合わせているで候。太一どのを……陰しか知らぬ拙者を照らしてくれた親友を裏切る訳にはいかぬ」


「ほう、見据えた気構えだ。そんなお前に良い情報をやろう……お前は知らぬ華花親衛隊の特権を、何を隠そうこの今週末にはな……



 ――――市民プールみずぎショーに遊びに行く予定だ。



 太一どの……拙者は未曾有みぞう情怨じょうえん渦中かちゅうにいるようでござる。あなどがたし。ああ水着侮り難し。おっぱいを仰げば尊し。


「まあ、太一どのも独り立ちする時がきたでございるな」




 ――――ォォォォォオオオオオオ!!!!!


 沸き立つ街コロ決戦会場で、4人の想いが複雑に絡み合う死闘の幕が上がった。各々、護るべき場所はあれど勝者は1人。興奮と熱気の中、バトルちゃんの眼差しが、真っ直ぐと太一の背中を追っていた。


「僕が太一の未来を守ってみせる――――」


 ――――――

 ――――

 ――


「――――これで終わりだ! ダイスロール4! 俺はコイン20枚使用して『電波塔』を建設!」


「「「がぁぁぁぁあああ」」」


「け、け、け、決ッ着〜〜〜〜〜!!! 35分にも渡る激闘の果てに、八神太一選手ッ、最後の建設物『電波塔』を建てた〜!! 完 全 決 着!!」


 ワァァァァァァァァァァァアアアア!!


 何処となく会場から舞い散るピンク、水色、黄色と鮮やかな紙吹雪。まるで暗い暗いほら穴の中から勝利という光を掴み取ったかの様だった。「完敗だわ」という華花、こいつとも死線を越えるうちに好敵手ライバルとしての尊敬の念が芽生えてきた。澄み切った炭酸の様に、ふつふつと身体の奥底から爽快な達成感が湧いてくる。笑顔で俺を見るバトルちゃん、思えばこいつは俺を支えてくれていた。裏切り者の忍者は死ね。そう、俺はいま、感動して――――


「おい! ボードゲームのシーンは? 何でもう決着ついているの!!??」


「何を言っているでござる、この素晴らしい戦いの後に」


「いやこれ、ボードゲームの魅力を伝える小説だよね!? プレイ内容カットしてどうすんの? バカか!? 文章力低いのか!?」


「太一、そんな事言っても仕方がないよ! しゃくだよ、尺の問題おとなのじじょう。もう文字数が無いの。既に6000文字超えているんだよ?タラタラと駄文を連ねたら読者も飽きちゃうし、これ以上インターネットのゴミbyteを増やさないで」


 バトルちゃんも太一の指摘にやれやれのポーズ。


「メタァァ! やれやれのポーズじゃねぇ!! 『尺の問題』じゃねえよ! ちっとも街コロの魅力を伝えていないんですけど、筆者が遅筆で文章力無くても? そこは博打黙示録とばくもくしろくばりの心理描写でドキドキさせる所じゃないの!?」


「流石は八神コーポレーションの創立者(予定)、素晴らしい街コロさばきだった。完敗だわ」


「なにシレッと決戦後の雰囲気出してんだよ! 言っとくがな「太一どの!!! 巻いて、巻いて!」


 興奮冷めやまぬ太一の言葉を忍者が遮り、口を開いた。その音は「尺が」と伝えていたが、よく分からなかった。太一は「まだメタなことを言いやがって」と憤怒ふんどしたが、慌ててバトルちゃんが割り込んだ。


「今回紹介した街コロは株式会社グランディング社のスペシャルサンクスでお送りしま――――



 次回、引きもりの演劇部員、雨下雫あめしたしずく見参。遅筆だけど絶対読んでくれよ!

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