第36話 愛情
愛情というのは、夢であり、夢から覚めてみれば、はかない一抹の砂のようなものだ。
夢を見た。サッカーの夢だった。
思えば些細な先輩の愛情が、わたしにかれの夢を見させたのかもしれない。
飼い犬の夢を見た。
思えば、私の些細な強烈な愛情が、彼女を飼わしたのかもしれない。
些細なことが消えない思いでになる。
思い出として永遠化される。
夢の中で生きていた俗世の愛情。
どろどろの情念で、生きた証
ああ、獣じみてて哀れだ。
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