第35話 受胎告知

青ざめた処女


乾いた空気に絡みつく熱帯の太陽


千年の年月を経て発見されず輝き続ける金剛石


アヴァドゥよ!


偉大なるゴーラクよ!


鋼鉄の処女よ!


内なる声、その沈黙の声は、


永遠の観照者の声・


年老い始めた髭面の鏡に写った自らの顔


ちょっとしたことにも哀愁を覚える


年老いた祖母の家に母と帰ってきた。


母が少女時代、よく遊んだという秘密基地


誰でも幼い時代はあるものよ、


哀切!


少年時代、知り合いのサイコパスが、蟷螂の腕をもいだ。


腕や足をもがれた蟷螂を見て、


胸が痛んだ。


魂さえ溶解する死の山・


現実界の砂漠にうろつく一匹の蠍!


千変万化する、砂の万華鏡よ!


ラーマが、シータと別れなければいけないとき、


動揺したといわれる。


神は。女のなかにある「それ」。


無。


昼は聖女、夜は淫乱。


それは女性性そのもの


それは無限、慈しみ、慈しみの化身、慈しみの大海。


淫らなカーマカラーと、シヴァの戯れ。


世界は少女の微笑み。


ヴィマルシャ シャクティよ。


om akshobhya hum

om ratnasambhava trah

om amitabha hrih

om amoghasiddhi ah

om vairochana om


精神は、極めて猥雑だ。


聖女という嘘。


嘘は罪がない無自覚な最後の女。


貞淑な主婦の中にも、一人の少女がいる。


ある意味、霊感など役に立たない。


聖餅が犬の糞に見えた、罰当たりな少女に罪などあるものか!


気の利いたことなど言う必要ない。


om vajrasattva ah


om samaya sattva vama

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