第35話 受胎告知
青ざめた処女
乾いた空気に絡みつく熱帯の太陽
千年の年月を経て発見されず輝き続ける金剛石
アヴァドゥよ!
偉大なるゴーラクよ!
鋼鉄の処女よ!
内なる声、その沈黙の声は、
永遠の観照者の声・
年老い始めた髭面の鏡に写った自らの顔
ちょっとしたことにも哀愁を覚える
年老いた祖母の家に母と帰ってきた。
母が少女時代、よく遊んだという秘密基地
誰でも幼い時代はあるものよ、
哀切!
少年時代、知り合いのサイコパスが、蟷螂の腕をもいだ。
腕や足をもがれた蟷螂を見て、
胸が痛んだ。
魂さえ溶解する死の山・
現実界の砂漠にうろつく一匹の蠍!
千変万化する、砂の万華鏡よ!
ラーマが、シータと別れなければいけないとき、
動揺したといわれる。
神は。女のなかにある「それ」。
無。
昼は聖女、夜は淫乱。
それは女性性そのもの
それは無限、慈しみ、慈しみの化身、慈しみの大海。
淫らなカーマカラーと、シヴァの戯れ。
世界は少女の微笑み。
ヴィマルシャ シャクティよ。
om akshobhya hum
om ratnasambhava trah
om amitabha hrih
om amoghasiddhi ah
om vairochana om
精神は、極めて猥雑だ。
聖女という嘘。
嘘は罪がない無自覚な最後の女。
貞淑な主婦の中にも、一人の少女がいる。
ある意味、霊感など役に立たない。
聖餅が犬の糞に見えた、罰当たりな少女に罪などあるものか!
気の利いたことなど言う必要ない。
om vajrasattva ah
om samaya sattva vama
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます