第4話 錆びついた剣

いつのまにか、老人になってしまっていた。


昔戦った戦場はもう思い出の中。


黒い漆黒のアゲハチョウも、


不気味なランタンも、


罪深いイチジクももうない。


光の衣を身にまとう。


至高の愛と運命の女は私を死に売り渡した。


よき過去の思い出よ。


審判だ!


私は血の対価を要求する。


いつまでも不気味に光る瑪瑙のように。



肉の思いを立ち、愛憎を捨て、派閥を持たず素直に巡礼しよう。



この世という墓場を。


私は復活させる、墓場を。


吸血鬼どもよ、名誉を求めて復活せよ。



さながら、レンブラントの絵のような陰影。


憧れの天王星と木星の秋を見てみたい。


私は、目覚めている。


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