第1話1部:俺の平穏な日常(仮)
入学式から1週間経った。
入学式の日俺はもちろん無言を貫いた。アイツが問題を起こすまでは...。
ということで一週間前何があったかと言うと...。
~キーンコーンカーンコーン~
「はい、今日はここまでとします。勉強をおろそかにせず、健全な高校生活を送りましょう。」
「「「はーい。」」」
はぁ。この中に、何人勉強をおろそかにしない人がいるのか凄く気になる。強いていうなら俺を含めて10人がいいとこだろう。
よし、そんなことよりさっさと帰って本でも読むか。
そんな感じで家に帰ってから何をしようか考えていると、
「ちょっと、あなた。」
「.........。(突然話しかけられてなんて言えばいいのかわからず混乱している。)」
「あなたに言っているのよ。あなたに。」
「...あ、あぁ。なんだ?。」
何だってこんなやつが話しかけてくるんだ?。朝めっちゃ男子の間で美人だって話題になってたやつだろ?。いや、わからん。なんでそんな黒髪ロングの美人が髪をなびかせながら俺なんかに話しかけてきたのか。
「あなた、もしかして......、」
「はぁ、なんだ?俺はあんたなんか、会ったことも話したこともないぞ?。」
「あぁ……そうね。」
と、その女は顔を曇らせた。なんかブツブツ言ってるような気がしたが、まぁ気にするのはやめた。
「で、何のようだ?。用無しに俺に話しかけるほどお前、暇そうじゃないしな。」
「そうね。本当だったらあなたなんかと話す時間すら勿体ないぐらいなのに、話しかけてあげてるのだから感謝しなさい。」
…………あー、こいついちいちまじでうざいわ……。
そして、俺が出した結論。
解答:無視して帰る。
ということで、無視して帰ることにした。グッバイ!
「ちょっと、お前なに帰ろうとしてるのよっ!?」
「ちィッ!!」(盛大に舌打ち。)
あれ?無意識的に舌打ちしちゃってた。まぁそういうこともあるよねー。
「まさか、舌打ちされるとはね……。」
「というか、そもそも突然話しかけてきといて自己紹介もないってどういうこと?名前ぐらい言えよ。」
そう言った途端、その女の雰囲気が変わった。
「フッ。よく聞いてくれたわね。でもこの溢れ出るオーラから気づいているのは百も承知。そうよ、私の名はダークネス・ファフナーよっ!。」
…………………………………………「「「は?」」」
……ある意味その場が凍りついた。
なんて言ったって、そこにポーズを決めて何故か勝ち誇った笑みを浮かべる真性で本物の”中二病”がいたからである。
だが、そんなことは関係ない。
「あー、そういうのいいから。で、本名は?」
「何を言っているの?今、本名を言ったじゃない?日本語が理解できないのかしら?」
「じゃあいいわ。本名言う気もないやつの話なんて聞く気ないし、じゃあな。」
と言ってみたが本当の所帰りたいだけである。
「わかった。わかったわ!待ちなさいっ!。思い出したわ。こちら側での名前をっ!」
「は?ふぁふなんとかじゃないのか?」
「ダークネス・ファフナーよ。」
「で、なんて言うんだ。」
「くっ、
確かに自己紹介でそんなこと言ってたよーな気がする
けど、正直寝ててきいてなかったわー。
「で、黒騎は俺に何のようだ?」
「名乗りなさい。」
「は?」
「私に名を言わせたんだからあなたも名乗りなさい!」
「あー、俺の名前は
「神貴……。むぅ。」
なんだこいつ。何を考え事してんだ?
「おい、黒騎。」
「あ、あぁ、ごめんなさい。ちょっと考え事を……。」
「会話中に考え事すんなよ。人に迷惑かけるだろ。」
「はっ!ファフナー様と一緒いられるだけで素晴らしいことなのに迷惑とは馬鹿じゃないのかしら。」
うわー、うざ…………。まじで帰りてぇ。というかいいよな?帰って。こんなやつの言うこと聞くの馬鹿らしいし。そもそも俺がこいつのいうこと聞く必要なんて皆無だし。まぁ、でもここで帰ったら家までこいつついて来そうだし‥。話だけでも聞いてやるか。
「で、本当になんの用なんだ?いい加減にしねぇとマジで帰るぞ?」
「…ええ。でも、少し待って欲しいわ。こんな、色んな人がたくさんいる所で話せるような内容じゃないもの。」
黒騎は、恥ずかしそうにそう言った。
まぁ、そういうことで帰りながら話を聞くことにした。俺と黒騎の家は近くないが途中の駅まで同じ電車らしく、話はそこで聞くことにした。
「おい黒騎、帰るぞ。」
「そうね。では、いきましょう。」
そして、校門を出たところで突然黒騎が、
「あなた、何も覚えていないのかしら?」
「…………はぁ?」
ちょっと待て今コイツなんて言った?
「おい、黒騎今なんて言った?」
「いや、いいわ。何も言っていないわ。多分あなたの空耳よ。」
「ふーん。まぁいいけど。」
絶対空耳じゃないと思うが…。ほんとにコイツなんて言ったんだ?
「で、黒騎さっきは何を俺に話したかったんだよ。」
さっさと終わらせて帰りたいしな。
「あぁ、確かにそうね。私があなたに話そうと思っていたのは…、」
めんどくさくないといいが…。
「私って普通じゃないのかしら…。」
「は?はぁ!?ちょっとお前何言ってんだ?」
「いや、私が普通かどうか聞いているのだけれど…。」
「ほ、本気で聞いてんのか?」
「本気よ。私ってファンクラブがあったり普通じゃないくらいかわいいじゃない?だから、聞いてるのよ。」
「そ、そっちかよ。どっちかって言うとお前の馬鹿みたいな中二病かと思ったし。」
「ち、中二病?それは何かしら。よくわからないのだけれど…。それより、私は普通かしら?」
俺的には黒騎が普通じゃないと思うのはそういう、なんていうか可愛いという所より、中二病だとおもうのだが…。あぁ、神はなんで俺なんかにあんな面倒くさそうな話をしてくる女をおくりこんだんだよ…。
「お前さぁ、自分のこと可愛い可愛いばっか言ってっけど恥ずかしいとかそういう気持ちねぇのか?お高く止まり過ぎなんだよ。ほんとに話聞いてもらうつもりあんのか?。」
言ってやったぜ!こんだけ言えば俺に幻滅して話もクソもなくなるだろ。多分この作戦は成功するはずだっ!
…と、思っていたのだが…、
「なぜ、私が恥ずかしがる必要があるのかしら?私が可愛いことなんてみんなが持っている共通の認識じゃない。それに私があなたに聞けと言っているのだから聞くのが当然のことでしょう。」
コイツにこの作戦は全く通じないようで、当然のように真顔でそんなことを言ってのけた。んー。これは、本当にどうするべきか…。
そんなようなことを黙々と考えていると後ろから黒騎が呆れたように、
「私が聞いたことも答えられないなんてあなたはどういう頭をしているのかしら。もういいわ。見込み違いだったようだし、あそこの男に聞いてきてみるわ。」
とか言いながら、向こうの普通のサラリーマンって感じの男性に近づいていった。遠くから見た感じ何か会話をしている様で、男性がデレデレしながら顔を赤くしているのが見えた。
と、黒騎は帰ってくるやいなや、
「やっぱり、あなたがおかしいのよ。」
そう言いながら、頬をつねってきた。
ちょっと待て。えっと黒騎さん?かなり顔近いですよ?大丈夫ですかね?それとなんであなたがちょっと顔赤くしてるんですかね?
顔が近いせいか、黒騎の息遣いがはっきりと伝わってくる。今の黒騎の顔にはいつもの人を見下すような顔が貼り付いてはいなかった。そして頬をつねった指を離しながら、
「もういい、帰るわ。」
俺にはそれを止める権利もなくただ、ただ黒騎が去っていくのを見届けることしか出来なかった。まぁ、とりあえず帰れるということで少しアイツを気にする気持ちもあったが早く家に帰った。
しかし俺は不用心だった…。
よく考えればこうなることは当然だった。
次の朝学校に着くなり、クラスメイトに集中質問放火を受けるなんて考えればすぐわかることだったよ…。
あー、めんどくさい。とりあえずトイレ行こう。
「すまん、漏れそう。トイレ行かせてくれ。」
あー、くっそ俺の平穏な日常はどこへやら…。
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