第2話 受験生の頃の話

高校3年の夏と秋の変わり目だったと思う。


 もう寝ようと思ってベッドに入って、スマホの時計機能のアラームを設定した。ここまでは現実。


 暫くして、急に体が動かなくなった。「金縛り」というやつだと思う。恐怖と喜びが混ざっていた。多分ここまでも現実。


 でも、だんだん恐怖が勝ってきた。そしたらベッドの近くにある窓からバケモノが出て来てこう言った。「お前の足を食ってやる!」姿は見えなかった。けどそのバケモノは確かに私の左足を持ち上げていた。次の瞬間・・・

「ばり」効果音をつけるならこんな感じだと思う。痛みは全然なかった。

 

 気がつけばバケモノは消えていた。手足の感覚も消えていた。必死で私は布団の中を探って、左足があることに安堵した。


 その後、別に足に大きな怪我を負わなかった。

けど、その年の11月。盲腸にかかった。

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