よく分からん夢たち

茸桃子

第1話 確か幼稚園生の頃

本当に脈絡がない。でも、はっきりと覚えてる。多分「変な夢」って自覚した一番最初の夢。


 幼稚園バスから飛び降りると、いつものようにママが待っていた。そして、いつも通り「ただいま」って言おうとしたけど、言えなかった。ママが緑の膝丈のワンピースに赤い三角帽子を被っていた。小人とか妖精が身につけてそうなアレ。いつもと違う格好をしたママはただ微笑んで手招きをしていた。

 

 気がつけば、リビングにいた。家の外からリビングの間で何があったかは覚えてない。周りを見渡すと、台所にママが立っていた。でも、なんとなく怖くて近づけなかった。さっきとは色違いの黄色のワンピースに赤い三角帽子。手元にはタバコがあった。ママはタバコに夢中?だったのか、私に背中を向けていた。

 

 いつの間にか、体はリビングの奥にあるベランダの方へと向かっていた。スライド式の窓の向こう側がベランダ。そこで「ぎょっ」としたのを覚えてる。ママが赤い服に赤い三角帽子を被って、鼻に割り箸さして泥鰌どじょうすくいをしていた。私に気がついたのか、「ヘイ!カモン!」みたいな感じで、激しく手招きしてた。私が首を横に振ったら、怒ったのか、地団駄を踏んでいた。怖くなって、私はベランダの窓の鍵に手をかけようとした。でも次の瞬間こう思った。


ここを開ければ夢が覚めるんじゃ?


そう思って、鍵を開けた。次の瞬間に目が覚めた。夢で最後に見たママは無表情だった。

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