第14話 (計算外)

他の人に当てたメンバーは時間稼ぎが最大の目的であるため負ける可能性は想定した上で相性の有利を取った。

その間に小日向 雛を迅速に拐うつもりだったはずだが高藤 恵美奈の予想外の抵抗に苦戦した。

さらに、追加で来た中等部の女の子が厄介であった。


「ガトリング、マシンガンの二重具現武装なんて聞いてねーぞ…!」

最初に救援に来たのは羽瀬 瑠美愛(はせ るみあ)である。

高藤 恵美奈とは一つ違いの幼なじみで高藤 恵美奈をお姉さまと慕っている。

高藤 恵美奈が具現武装化に手を出したのを知った彼女は後を追うように具現武装化を手に入れた。

その時に具現したのが肩に紐を掛けるようにガトリング、懐にマシンガンであった。

本来、二重(多重)具現化の際は双剣や二丁拳銃と言った手数を増やす目的が主流であり、また、普通は同系統の武器であることにより具現化の負担を減らすものである。

彼女は魔法特性こそ大地だが潜在魔法力が非常に高く本来は具現武装化に手を出す必要などない"例外"の一人であった。

そのため別種の二重具現武装化なんていうことが出来たわけだが、動きにくく取り回しが悪い関係で普段はガトリングを出現させないのでほとんどの人に知られていないわけだが。

マシンガンに関しては弾切れでカートリッジ入れ替えのリロードを必要とするのだが問題はガトリングの方で、弾の連なりが地面から伸びており、魔法力が尽きるまで地面から弾が補給され続けてしまう。

連射速度など攻撃性能に関しては通常の特性の魔法とは比べものにならないぐらい早くかつ強かったため最初は否定的だった両親に認めさせたのは初等部の頃。

また、ハンドガンを持っての射撃練習においても命中制度はわりかし高く、サバイバルゲームにおいては上級生に混じって戦果を上げる程である。

弾自体は殺傷力を押さえる目的の土だが、ガトリングゆえ基本威力が高く打撲ダメージを重ねていき、逃亡に走ろうとしたところで高藤 恵美奈が窒素100%の空気の檻の弾を当てて気絶させた。土が付き動作が重くなってたのも響いた。

「お姉さま、さすがです。」

「助かったわ。おいしいところを持って行ってごめんね。」

「いえいえ、お姉さまの粘りがあったからこそ間に合ったのです。」


そして、木下 恵→小鳥遊 光→秋月 明日香と順に合流し始めたのだった。

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