第9話 (相性)

特性や得意によって相性は変わってくる。

その中で吉川 恵が相手にしているのは双剣の具現武装である。

大気の特性で剣からは鎌鼬も放たれる。

奇襲的に襲撃され、さらに次の攻撃までが早く手数が多く中距離でも戦えるとあって、直感的に魔法の行使が出来ない吉川 恵にとっては魔法の防壁を張るのが精一杯である。


別の場所では、木下 恵が戦っている。

弓の具現武装だが、何より大変なのは精神干渉系による干渉操作の特性であり、複数の他生徒を操りながら近接と遠距離の同時攻撃を展開されている。

その矢にかすったら終わりというのがあり、大きく回避を要求され手数を奪っている。

時折放たれる範囲攻撃が他の生徒などを巻き込み、手数は次々と増えていく。

強制失神で強制的に回路を切っても矢を当てて再接続されるので焼け石に水である。


天雷 由美は大地の魔法が相手であるが、金属操作を得意とする相手であるため避雷されて相性がよろしくない。

秋月 明日香は火炎放射の具現武装が相手であるため弾が無効されている。


若月 夏が相手取っているのは水と大気の複合型である。

複合の特性自体はオールマイティより多く存在し、原則としてマルチと呼ばれている。

ただし、特性がマルチの固有にされている人はそれに特化しているため逆に属性単体での行使が出来ないなどの弊害ももっているかわりに強力な専用の複合を使えるという利点もある。

天雷 由美の電雷であれば電子化して機械のプログラムに干渉するなど。

重力の特性の最大の弱点は相殺であるが希少魔法持ちが早々いるわけもなく基本的に相殺はされることはない。

ただし、重力の影響を受けにくい特性も効果が及びにくく苦手ではある。

その中で水と大気のマルチは知識と魔法の技術と魔法力があれば水に溶け霧状になって戦うことができるため重力の影響をほとんど無くせる。

大気で分散・収束でき、有効範囲内を維持できるためである。

水と大気の複合魔法は電気(プラズマ)であり、前捕まった相手と同一人物かなと若月 夏は推測した。

ちなみに、若月 夏が殺した時の相手の特性は闇であり、闇に溶けて逃げるため苦戦し、さらに一般人を手に掛けようとしたことにキレた若月 夏が闇ごと重力で裂いたため巻添えの物損被害が激しかった。

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