第12話 (特別ルール始まる)
特別ルールをやるにあたっては魔法学園のグランドサイズの競技会場でも狭いため、会場近くの演習場を利用する。会場には小日向 雛だけが待機する。
カメラ機材が特定の場所に配置されていて魔法力をかなり練り込んでいた吉川 恵が開始10分程前に大会事務局との打ち合わせどおりに即席のダンジョンを生成した。
ちなみに各部屋の入り口には水のベールが張ってあり各部屋の中がわからないようになっている。
他にも探査系の魔法で監視していて不正は見つけしだい即ボッシュート(強制退場)させられ、壁には物理魔法で壊されないように防御系の魔法までかかっている。
また、三層目を突破するとその次の通路から転送系の魔法で会場に飛ばされる仕組みである。
ちなみに、不正を防止するために中が見えないようになっており、そのため中の展開がわかるようにカメラ等の機材を即席のダンジョンに組み込むのである。
そこまで全部の工程は本来複数人で分担してやるものなのだが吉川 恵はそれを一人でやっているのだから末恐ろしい。
ただ、流石に汗をかいているようではあるが。
トラップ等の移動妨害システムがあるわけではないので移動自体は楽であり、全員が配置に付くのに大して時間は要しなかった。
そして、所定の時間とともに特別ルールが開始される。
転送系の魔法とは
稀少魔法の一つであり、終点の設定が必要不可欠で、それを機能させるために転送魔法の使用者が行使するのに必要な何かを終点に設置設定しなければならないという条件はあるものの、その利便性と稀少性から転送系の魔法を使える人は高い契約金を提示されることも常な程引く手数多である。
ちなみに、吉川 恵が教師であったがゆえに今回の特別ルールのシステムは容易に実現できたものである。
ただし、特別ルールのシステムの概要を全部担当するというのは吉川 恵が言い出したことであり、流石に大会関係者からの当惑も少なくなかったようだ。
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