第三章 魔法の大会

序章 (夏休み恒例)

7月に入り、担任から毎年恒例の魔法大会の話が始まる。

ちなみに魔法大会は各学園高等部対抗であり、参加者は成績にボーナスが付き、さらにテレビ中継なども入るため参加したい生徒の方が多い。―要は目立つために参加したがる生徒もいる。

部門は、まず標準タイプと具現武装化とに分かれており、さらにその中から特性や武装系統で分かれているため数種目づつ存在する。

基本的には校内で希望者や推薦者で予選をして正式メンバーを決定し本戦に挑むという流れである。―ちなみに一人で複数種目に出ることは原則禁止。

ところが話の終わりの方に入り、

「あと小日向 雛ちゃんには特別ルールへの参加が強制になります。」

という担任の声でざわめいた。

特別ルールとは毎年開催されるワイルド枠にあたり、強制選出枠と自由参加枠とが存在しルールも毎年変わる。

去年の特別ルールはこの学園の女子魔法射撃部上位3名の弾丸をくぐり抜けて一人でも拠点フラッグを取ったら勝ちのチーム戦だったというのは村山 正樹から聞き出した話。

なお、結果は自由参加枠総数は150名を超えた―基本的には参加人数に上限があるのだが3人が上限撤廃を要求したらしい―のに全滅という話だったが。

ちなみに、3人とも容姿も良かったため隙あらば胸とかを触ろうと邪な感情で参加した生徒もいたとかいう噂もあるが。

「今回の特別ルールは魔王退治!」

と言ったところでクラスから「ああ~。」とか「なるほど。」とかいう声が沸いた。

ちなみに特別ルールの別名は本戦除外とも呼ばれている。

というのも強すぎて出場禁止措置をくらった生徒が抗議をし、1:100のバトルでもいいから出場させろと言ったのが始まり―なお、急遽100人を参加させるスペースを確保することはできず上限50人一杯まで埋まったが1人で完勝したことで恒例化した―だとか。

ちなみに強制参加枠が負けた例は上限撤廃等のわざわざ不利になるような申請を出さない場合が多いと言われている。―本戦の除外をされるぐらいだから本来は相当に強敵ということでもある。

まずは強制メンバー選出がボードに記載されていく。

魔王:小日向 雛

(まあ、魔王の魔法力を持つからそうなるな。)

「次は前回の強制参加者枠ね☆」

と言って書き足されるのは

師団長:秋月 明日香

配下:木下 恵(きのした めぐみ)

配下:天雷 由実(あまらい ゆみ)

(女子射撃部のメンバーか、たしかに彼女達の救援は心強かったがそこまでだっか。)―ちなみに木下 恵は精神干渉系の二丁拳銃で、天雷 由実はプラズマ弾である。

「続いては別に強制参加させなくても問題ないけど強制参加の希少魔法枠ね☆」

とここで村山 正輝が「はいはーい。」と言いつつ手を上げる。

「なんでわいが強制参加なん?」

「なんかね、上からいっそのこと学園に所属している希少魔法持ちは全員参加させとけみたいな会議の結論になったみたいよ?」

「なんでや!」

という問答が発生した。

師団長:小鳥遊 光

(んん!?)

とここで小鳥遊 光は手を上げる。

「どうして俺が師団長になってるんですか?」

「んー、どうもね~、幼馴染というのが影響してるらしいよ?

無効化の魔法も強いしね☆」

と吉田 恵に回答を貰った。

さらに追加されて

配下:村山 正樹

配下:宮本 勤(四国魔法学園)(みやもと つとむ)

配下:林山 彰人(九州魔法大学付属)(はやしやま あきと)

「メンバーはこんなものね。

今年は特例として参加人数上限は無し、自由参加枠は他競技で出場してても参加OKということでーす☆」

と言った。

クラスからは「そういえばうちの学校って希少魔法持ちがやけに多くない?」という声もあったが進行自体は大して滞りもなく進められた。―ちなみに「希少魔法って種類があるわりに所持者の特性被りが滅多にないあたりがやっぱり希少魔法は希少魔法。」という結論に至る。


魔王討伐ルール

魔王に攻撃を10回当てたら勝ち

師団長は5回、配下は3回で撃破扱い

防御系の魔法は使用禁止だが防具の具現武装に当たった攻撃はダメージ無効

相殺による攻撃の無力化はOK

攻撃をくらうとライフ減少、3つ失ったら脱落

威力は重視しないルールのため低威力以外の魔法の使用は禁止

威力が低ければ範囲魔法もOK

チームプレイOK

味方の攻撃をくらってもライフは減少するので範囲魔法使用の際は注意

回復魔法は対象全員のライフ一律+1(上限3)

参加者は全員魔法感知器搭載のライフジャケットを着用して挑むこと

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