第9話 (交戦開始)
とりあえず、盾を具現化させる。
と同時に反対の手でスマホを取り出し軽く操作をする。
交戦が始まると具現武装化を用いて接近してくる警備隊員と後ろから魔法を撃ってくる警備隊員が居て防戦一方を強いられる。
「雛、余分な魔法の波長はどこにある?」
「頭!」
とやり取りをする。
しかし、問題は攻撃の数が多すぎて攻勢に回れないことだが。
小鳥遊 光は遠距離の魔法攻撃を盾で無効化しつつ具現武装の攻撃も回避したり盾で弾いたりし、小日向 雛は色んな属性の防護防御魔法を交えて現状をなんとかしのいでいた。
じわじわと押し込まれていき小日向 雛と小鳥遊 光の背中がぶつかる。
(くそっ!)
と捨て身の特攻を考えたところで「ズドン!」という音か聞こえた。
スマホで打ったのは「緊急!」の言葉だけ。
それで校舎に残ってた一部の人が駆けつけたのだろう。いや、この場合は女子射撃部か。
女子射撃部は秋月 明日香がリーダーとなって銃型の具現武装化をするメンバーで創設した部である。ちなみに部員数は初中高合わせて50人を超える。
とはいえ、射撃練習自体は自由参加な側面上全員揃っていることは稀、かつ校門を押さえるのを計算に入れると救援の数はそこまでは来ないだろう。
校門側に居た一部の魔法警備隊員が後ろの対応に追われ始める。プラズマらしき火花が飛び散るのを見るに麻痺凍結といった行動不能系の性質持ちが優先で出てきてるのだろう。
攻撃が甘くなったところで隙を突いて警備隊員の頭に盾で触れる。
操作系の魔法を無力化したことで警備隊員の糸が切れたように崩れ落ちる。
隙を突いては警備隊員の頭に盾で触れるを繰り返し片面の総数が半数ほどまで減ったところで、女子射撃部員の顔が見える。
来たのは5人ほどか。
秋月 明日香を筆頭に二丁拳銃を構えてる人、リボルバー式の方は貫通力が高いのか魔法の防御の防壁を抜いて着弾すると内部から石のように固まるという大地の魔法系統―つまり弾丸は土か粘土あたりから作っている―か。
二丁拳銃の方は決めポーズをしながら撃っているようにも見えるが…、命中精度は無駄に高い。当たった矢先にバタバタと倒れていくのが見える。たしか、失神系の精神干渉弾―強制的に失神―だっけ。
スパークの発生源は片手で普通に撃ってる人だ。弾に当たると感電麻痺して体の自由が奪われる。
最後の一人は水の魔法特性のようで当たると水が絡みついてまともに身動きが取れなくなるようだ。
とりあえず、小日向 雛の側に向き残りの警備隊員に対応する。
あらかた無力化したところで
「これは一体どういうことかしら?」
と秋月 明日香に聞かれる。―ちなみに後ろでは二丁拳銃の人が決めポーズをとっていて、プラズマ弾丸の人が呆れているのが見える。
「どうやら、何らかの魔法で操られてたみたいですね。」
「どうりで警備員もおかしかったのね。
そういえば。学園内で謎の敵が出現したみたいで風紀委員や教師はそっちに手を取られてるみたいね。
逆に校門の強行突破がしやすかったけどね。」
と答えが返ってきた。
「途中で妨害とかされなかったんですか?」
「いたけど散弾銃の子が容赦なくふっ飛ばしちゃってねえ…
彼女の特性は炎だから逆に後処理に数人取られちゃったのよね。」
とあきれ顔で語る。
(なるほど、曲者揃いか。)
と少し思ったが
「今、失礼な事考えなかった?」
と聞かれて
「いえ、気のせいですよ。」
と答えたのだった
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