第8話 (異常発生)
1ヶ月ほど平和が続き
「こーうちゃん、一緒にかえろー。」
と小日向 雛に声を掛けられる。
今日は放課後の見回りも用事もないので
「特に用事もないからいいよ。」
と返す。
ちなみに風紀委員の放課後恒例の業務連絡があるので少し遅くなるため帰宅の生徒の数は多くない。
小日向 雛の一方的なおしゃべりに相槌を打ちながら校門を出る時に、ふと違和感を覚えた。
警備員が生徒が通るたびに軽く会釈を返しているのは毎度のだが何かが引っ掛かる。
嫌な予感を察知した為警戒心を入れたところで
「こうちゃん、どうしたの?」
と聞かれる。
「ん、ちょっと嫌な予感がね。」
と答えると
「ふーん。」
と返された。
すると歩いてすぐのところで魔法警備隊に囲まれる。
「小鳥遊 光、および、小日向 雛、魔王の力の所持につき逮捕させてもらう。」
と一人の魔法警備隊が話す。
「決められたところ以外での魔法の行使はしていないが?」
と答えると
「所持してることが逮捕の理由だ。」
とちょっと不可解な回答が返ってくる。
魔法協会には"小日向 雛を野放しにするのは危険という意見が無かったわけではないが、その意見が少数派だった為に妥協案で監視強化という方向になってる"というのは村山 正輝の情報である。
つまり、これは誰かの陰謀か何かだろうとあたりを付けたところで
「こうちゃん、このひとたち魔法の波長が2つあるよ?」
と声が投げかけられ
「雛、サンキューな。」
と返す。
魔法の波長が2つ、つまり何かの干渉系の魔法にでもかけられてるのだろう。
ふと遠くに見える校門を見ると門が閉鎖されていたことで確信した。
干渉系の魔法は希少(レア)中の希少魔法でその性質も相まって要監視対象なのだが、その監視の目を潜り抜けたやつでもいたのかもしれない。
校門から出る時にいた警備員は決まった反応を返すだけの状態にされていた、それが違和感の正体だろう。
小日向 雛は探査魔法を薄くして伸ばさなかったため―検知機には引っ掛かるが―魔王の探査領域が最大限発揮されてその状態で魔法力の感知をした結果として魔法力の波長に気づけたのだろう。
つまり、相槌を打ってる時には既に展開の準備をしていたということになる。
しかし、それはすぐに理解できたが問題は数十人ぐらいで包囲されていて2人で対応するには厳しいことが予測できる。
小日向 雛が魔法力吸収を展開しても多勢に無勢で取り押さえられるだろう。
相手も魔法を使える相手なのだから全部をまとめて対処するのは容易ではない。
「さて、どうするか。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます