第4話 (疑惑)
山田 哲郎に直接報告した成果か一週間足らずで有刺鉄線は治っていた。
ちなみに、山田 哲郎に確認を取ったところ副委員長の報告漏れだそうだ。
(報告漏れなのかどうか疑わしいところではある。警戒しておくにこしたことはないだろう。
そういえば、風紀副委員長の御手洗 良也は医者志望で魔法特性が水だったか。
要注意だな。)
などと思案にふける。
「こーうちゃん!」
と小日向 雛が手で目をふさいでくる。
(何やってるんだか)と思いつつ。
「なんだ?」
と返す。
「今日は当番じゃないんだよね?一緒にかえろー。」
と言ってきた。
まあ、ちょうどタイミングもいいことだし
「じゃあ、一緒に帰るか。」
「わーい。」
と話のやりとりをしたのだった。
「雛、御手洗 良也を知ってるか?」
「うん、風紀副委員長だよね。最近よく話しかけてくるよ。」
「なんて言っていた?」
「「不審者がいるみたいだし送ろうか?」とか誘ってくるよ。」
まずいな、と感じた。
「その申し出は受けたか?」
「ううん、他の先輩たちが一緒に帰ろうと誘ってくれるから、そのたびに副委員長は退散してる。」
(…意外と周囲のガードが堅いな。)
「…御手洗 良也には気を付けた方がいい。」
「なんで?」
「ちょっと色々情報集めてみたら不審な点が結構でてきたからな。」
「なるほど。つまりわたしへのお誘いにも裏があるということだね。」
「まあ、そういうこと。」
「わかった、気を付けとくね。」
ととりあえず伝えたいことは伝えることに成功した。
それ以降はカフェで雛の他愛もない話に付きあって帰路の道が分かれるところで解散した。
ちなみに小日向 雛は途中から公共機関に乗って家まで帰るわけだが、その公共機関を降りた後から家までは警察、警備隊の巡回強化エリアー実際には家の直径範囲なのだが―で警察や警備隊の姿が結構見受けられる。
一度小日向 雛の家まで行った―中に入ってはいない―ときに何度も見かけ、小日向 雛の家の前の入口―ちなみにマンションである―に立ってると警察や警備員によく見られたりもした。
後日村山 正輝に話を聞くと小日向 雛を狙う不審者の取り締まり―なお、既に取締り件数は6件に及ぶ―が主で念の為の小日向 雛が何らかの理由で一暴走して魔法を発動してしまわないように―万が一暴走してしまっても対応できるように―の監視の意味があるということらしい。
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