第二章 魔の王の力

序章 (続かない平穏)

「こうちゃん!」

と小日向 雛に話かけられるのは小鳥遊 光。

「こうちゃん、もう授与の魔法力が無くても大丈夫なぐらいまで魔法力が上がってるね。」

と言ってきた。

「そうなのか?」

「うん、そうだよ。こうちゃんに与えてる魔法力から伝わってくるから。」

「そうなのか。じゃあ、雛の魔法力は返した方がいいか?」

「ううん、それはこうちゃんが持ってていいよ。」

と会話が続く。

徐々にではあるが年々魔力の上昇は確認されていたのでおかしなことでもないが。

ちなみに、小日向 雛は要監視対象ということもあり彼女の通学エリア範囲周辺の魔法警備隊は増員され、さらに魔法警備隊待機所の数もかなり増設されている。

が、魔法行使の検出器が増設されて基本的にはその検出器の反応により出動してくるぐらいで見張りみたいなのは付いていない―範囲外に出る時は協会に報告しておく必要はあるらしいが―のだが。

ふと何者かに、付けられてる気配を察した小鳥遊 光は振り向く。

「こうちゃんどうしたの?」

という反応に

「誰かに付けられてるような気がする。」

と返す。

少し歩いて

「んー、言われてみるとそんな気もするね。」

と反応した小日向 雛に対して

「家まで送ろうか?」

と言うと

「ううん、大丈夫。」

と返され、荷物の中から取り出したのは何かのスイッチ。

そのスイッチのキャップを開けて押すと…

1分ほどで近くの待機所から魔法警備隊が数名駆けつけてきた。

(監視対象とは聞いていたががそういう…)

と監視対象の意味を理解した。

要は小日向 雛を監視するのではなく小日向 雛に近づく不審者に対する監視なのである。

小日向 雛が事情を説明すると魔法警備隊が走りだした。

それに気づいた、尾行者は魔法を行使しつつ逃亡したのだった。

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