第4話 (波乱の予兆)

翌日、村山 正樹に挨拶にいき

「昨日はどうも」

と言うと

「いやいや、気にせんでええ。」

と返ってきた。

「ただ、ちょっと確認したいことがあってな、ほんまはこっちから出向くつもりやったんやが…」

と言う。

「何を聞きたいんだ?」

と聞くと

「ちょっとこっちにええか?」

と移動を勧められて人気の少ないところに誘導された。

周囲に人がいないのを確認したのちに小声で

「小日向 雛にネックレスをプレゼントしたことあるんか?」

と確認してきた。

「…初等部3年の時に誕生日プレゼントにあげたやつならあるが、子供の小遣いで買える程度の安物だぞ。」

と答えると

「ビンゴやな!」

と言葉が返ってきた。

「…説明をいいか?」

「壊されたネックレスの話があったやろ?あれは小鳥遊がプレゼントしたもので間違いないはずや。」

「つまりあの事故の原因は俺にもあると?」

「無いこともないんやけど責任はないから安心しーや。」

と話をしたところで疑問が沸いた。

「ところでどうしてそんなことが分かったんだ?」

「それはやな、岩山がお前に絡んてだ時の彼女の反応や。

あの魔法力の漂いは尋常じゃない。それこそ鳥肌が立つほどにな。

周りの女生徒が必死になだめたのも多分それが理由や。」

と話が続いた後少し間を置いて

「よし、このネタは高く売れるわ!」

と村山 正輝が言ったのに小鳥遊 光は脊髄反射のごとく

「ちょっとまて!」

と突っ込んだ。

「大丈夫や、こんないいネタ安々と売ったりはせーへん。

それよりも岩山には気を付けときーや、彼女の逆鱗をいつ踏むか怖くてしゃーないわ。

わいがいる前で惨事でも起こされたらかなわへんからな。」

と飄々と語った。



実技では魔法の出力や操作という観点を鍛えるのが主であり、場合によっては模擬戦をしたりするわけだが―ちなみに模擬戦では生徒が暴走して争いになっても止めやすいように実技の担当は学園でも実力上位の教師が受け持つのだが―

「今日は僕が男子の実技見ることになったから問題をおこさないようにしてくれよ。」

と言ったのは若月 夏というイケメンの教師。

ちなみに彼は基本的に女子の実技担当で―その理由は彼が担当すると女子が言うことをよく聞くからという理由だったりするわけだが―実力と見た目だけでなく性格もできたイケメン(既婚者)である。

教師をやってるのは奥さんを大事にしていてそのために安全な職業を選んだというのは有名ではあるが彼も現役時代は相当にならした実力者―事実、学園内の教師の中では吉田 恵に次ぐ強さなのだが―である。

「今日、担当の交代をしている理由は今日は模擬戦をやるから、ということになります。」

と担当の交代の理由を言った。

「あっちには小日向 雛がいるからか…」などというひそひそ話が聞こえる。

念には念を入れての措置なのだろう。

実技には模擬戦や魔法球技等色々あるが適正もあったりするため自由参加―不参加の人は出力や操作の修練を積む―なのだが

「おい、小鳥遊、俺と手合わせをしろ!」

と声を掛けてきたのは岩山 輝人。

「…なんの目的だ?」

と聞くと

「お前の今の実力を見てみたくなった。」

ともっともらしい答えが返ってきた。

高梨 光一は「おい、やめとけよ。」と言っていたが

「どれだけ通用するかちょうどいい機会だから試してみたい。」

と返しておいた。

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