第3話 (不穏)
それから特に大きな出来事もなく授業が始まった。
その中で実技が始まると少しざわめきがあった。
それは小鳥遊 光の盾の形状の具現武装化を見たからである。
本来具現武装化とは攻撃のために武器の形状にするため盾の形状自体レアなのではあるのだが。
ちなみに中央の突起は引っ込ませて普通の盾に見せてある。
岩山 輝人に
「はっ、そんなものでどうやって実技をやるってんだ。(笑)」
と嘲笑されるがとりあえず相手にしないことにした。
「おい無視すんなよ!雑魚が!」
と言ったところで別の方から嫌な空気が流れてきた。
その流れてきた空気の方を見ると…
そこには小日向 雛がいた。
声が大きかったため女子の居る方まで聞こえてたのだろう。
周りの女子はどうどうといった感じでたしなめていた。
その嫌な空気を感じ取った岩山 輝人は「けっ!」と言ってひとまず離れた。
ちなみに実技の内容は魔法力を測定器にぶつけるというものでやったことと言えば魔法力の盾で叩き込むだけだったが…
これが結構強かった。
測定の結果はクラスでも中の上ぐらいの結果が出た。
高梨 光一は「おお、やるじゃん。」と言った。
他にも「盾って攻撃できたんだ…」、という声もチラホラ聞こえた。
「まあ、こんなもんか…」
と小鳥遊 光が実技を終えたところで岩山 輝人が話かけてきた。
「盾は所詮盾だろ?武器の真似事をするんじゃねーよ!」
と言ってきた。
「…なら勝負でもするか?」
と返してみる。
「はっ!やれるもんならやってみろ。(笑)」
と返されたところで
「こらこら、お仕置きでもされたいのかなー?」
とにこやかに吉川 恵が割って入ってきたことで
岩山 輝人は「ちっ!」と言いながら離れていった。
ちなみに結果は
男子は43人中岩山 輝人が学年2位(クラスの男子では1位)、村山 正輝が学年5位、
小鳥遊 光は15位で高梨 光一は29位だった。
女子の学年の1位はダントツの結果で小日向 雛(45人中)と予定調和だったが。
放課後
「おい、小鳥遊 光!」
と岩山 輝人に話かけられる。
ちなみに小日向 雛はというと今日はクラスの女子と一緒に帰ったためもういなかったりする。
「…何の用だ?」
「ちょっと面を貸せ!」
「喧嘩ならお断りだが…」
と問答が始まると
「はいはい、その辺でやめときや。」
と村山 正輝が割り込んできた。
「貴様に用はないんだが」
「悪魔ちゃんに目を付けられてもしらんで。」
岩山 輝人の言葉に村山 正輝が答えると
「なぜあいつが関係ある?」
と返す。
「そいつは多分彼女のお気に入りや、彼女の逆鱗に触れる前にやめときーや。」
「なんでそんなことがわかるんだ?」
「うちが情報通ってことを忘れてへんか?」
というやり取りがあり、
「…今日はもういい、どこか行け。」
と言って小鳥遊 光は解放された。
帰り道の途中で
「ちょっと冷っとした。」
という高梨 光一に対して
「因縁を付けられるようなことをした覚えがないんだが…」
と返すと
「多分お前の実技の成績が関係あるのだろう。」
と返ってきた。
「なるほど、脅威になる前に叩いとこうというアレか。」
「まあ、そんなところだろうな。」
と話が進む。
「ところで悪魔ちゃんってなんだ?」
と小鳥遊 光が疑問を投げると
「小日向 雛のことだな。」
と返された。
「彼女を畏怖を込めて言う時は大抵こう呼ばれることが常習化しているからな。
彼女はそのことを既に知ってはいるが悪口を意に介さないから常習化されてると言っても過言ではないな。」
「なるほど、つまりその言葉を使うときは警告に近いわけか。」
「その通り。まあ、彼女と仲良くしてる女子の間ではめんどくさい男子を追っ払う時にも結構使われてたみたいだけど。」
「…それ、言葉の全然重みがなくならないか?」
「でも、もしかしたら…ってことがあるからな、言われた方はみんな警戒するんだよ。」
「そういうものなのか。」
「そういうものだよ。」
「ところで光一、どうしてその話を知ってるんだ?」
「村山から聞いた。」
「…そういうオチかよ。」
その後ははたわいもない話をしつつ多少寄り道しながらも帰路についた。
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