第2話 (無垢の悪魔)
HRが終わり
小日向 雛は編入生の恒例(?)で他の生徒に囲まれてるようなのでとりあえず話を再開することにした。
「光一、小日向 雛が自己紹介した時空気が変わった気がしたんだが何か知らないか?」
と小鳥遊 光は高梨 光一に話かける。
とそこに
「なんやなんや、何の話や?」
と現れたのは村山 正輝。
村山 正輝に疑問に思った部分を説明すると
「なんや、そんなことかいな。」
と返してそのまま話を続けた。
「あんさんが魔法学園に入って来たんは中等部やってんね。
なら知らへんでも仕方ないわ。
5年前の魔法学園の事件知っとるか?」
と聞いてきた。
「…死者を13人も出した事件か?」
「そや、彼女小日向 雛はその事件の元凶や。」
と言われて
「…はい?」
とつい返してしまった。
「驚くんはしゃーないわ。
まあ、実際にはその事件で死亡した男子生徒が原因だったんやけどな。」
と語る。
「彼女が転校してくるまではその男子生徒は魔法実技トップやってん。
ところが彼女が転校してからは彼女に魔法実技トップの座を奪われてん。しかも、圧倒的な差で。
それが気に入らなかったその男子生徒は彼女をチビと言ってバカにしたり不細工とも言ったりしたんやけど彼女は悪口を意に介さず受け流してたんやね。
そんなんやから、その男子生徒は女子の間で嫌われ始めて彼女の擁護に回る子も多かったん。
まあ、そんなこんなで一年程経った頃彼女がネックレスを大事に持ってたことにその男子生徒は気づいてな、それを奪って壊したんよ。」
「ネックレスか…」
と小鳥遊 光が反応すると
「ん?なんか知っとるんか?」
と村山 正輝に聞かれたので
「いや、なんでもない続けて。」
と返す。
「ああ、すまんね。」
と言って会話が再開される
「それが彼女の逆鱗に触れたのかその男子生徒は彼女の魔法力に飲まれて即死、止めようとした教師2人も飲まれて死亡、さらに駆けつけた警備魔法師も何人も飲まれて誰も止められず往生することになったんや。」
「…誰も止めれないならどうやって治まったんだ?」
「母親が駆けつけたところで母親に泣きついて脅威は終わったわけやね。
その飲まれた警備魔法師のうち10人は死亡したんやけど、問題は生存した方やね。」
と村山正樹が途中から小声で話す。
釣られて小声で
「生存した方に何があったんだ?」
と聞くと
「無くなってたんや、魔法力が!」
と返ってきた。
「ここだけの話なんやけどね。」
とひそひそ話になる。
「魔法の実験施設で色々試してわかったことなんやけど、彼女の魔法特性は実際にはもっと恐ろしいものやったってことやね。
魔法力の吸収それが彼女の特性や。
周囲の人に悪影響が出なかったのは力を行使しない限りは空気中に残った魔法力の残滓を吸収するぐらいの吸収しかしてなかったってことやね。
まあ、禁止級魔法としてその力の行使は制限されてるみたいやけどね。」
と話してくれた。
そしてボリュームを戻しつつ
「そして、彼女は悪意が無かったっつーことで5年の観察処分を受けたんや。
やけど、元々そんなに怒らない性質だった分特に何もなく観察期間は終わったんやね。
そして家の都合もあってこっちに引っ越してきたってところやね。」
と話す。
「クラスメイトに嫌われたりとかしたんじゃないの?」
と高梨 光一が話に入ってくる。
「彼女を恐れた生徒からは最初は悪魔とも囁かれたんやけどね、そもそも彼女は悪口は意に介さない上に元々の性格もあって以前仲の良かった生徒とは少しずつ関係が修復されていったんやね。
そして、最終的には逆鱗にさえ触れなければ安全という認識は広まって今に至るというわけや。」
と話したのち
「どうしてそこまで知ってるんだ?」
と小鳥遊 光は浮かんだ疑問を投げかけた。
「向こうにも知り合いがおってね。まあ、話の出どころの一部は企業秘密やけどね。」
と返された。
「と・こ・ろ・で、彼女と知り合いのようだやけど昔話でもちょっと聞きたいわー。」
と村山 正輝はゴマをするように聞いてきた。
色々話してくれた裏には(やっぱり情報が目当てだったか…)と思いつつ
「まあ、小さいころ雛とは隣同士でね、引っ越していくまでは一緒にいることも結構あったかな。」
と言うと
「で、続きは?」
と村山 正輝は目の色を変えたように続きを促した。
「まあ、結構振り回されたりもしたが特に変わったことはないよ。
目の前でちょっと魔法を見せてもらったりはしたけど。」
と話した。
「ただ、なんで俺にすぐ気づいたのかはよくわからんな。」
と続けると
「まだ何かあるってことか?」
と村山 正輝に聞き返される。
「正直わからん。」
と答えるしかなかった。
その後は他愛もない話に流れていき、小日向 雛のまわりも落ち着いたところで全体的に下校も始まり小日向 雛に話しかけられて途中まで一緒に帰ることになった。
帰り際、岩山 輝人が見てたのだがそれに小鳥遊 光がそれに気づくことはなかった。
ちなみに小日向 雛の積もる話はあったが話の内容は他愛のないものばかりだった。
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