第17話 対米協調派
大東亜戦争は、海軍の始めた戦争であったが、主流だった対米強硬派の対極に位置する対米協調派も、少数派として存在していた。現場はそのような大局的な目を持ち得なかったが、山本五十六、米内光政、井上成美の海軍良識派三羽烏や、避戦派の重鎮である岡田啓介や、財部彪らが対米協調派を牽引していた。海軍の内部では、これらの人間達の意見よりも、主流はやはり仮想敵国の筆頭である米国を倒してこそ、日本海軍は太平洋の覇者になれると信じてやまなかった。日米開戦は、周到に計画された陰謀論が根強いが、日本側にも、米国への挑戦意識は確実にあった。この対米協調派の人間が、日本の将来に渡ってキーパーソンを多く輩出し、日本をギリギリの所で救う結果になる。もちろん、開戦間もない連戦連勝に受かれている間でさえも、そんな事を考えて戦争を戦っている人間は誰一人としていなかった。アメリカと協調していくべきだという、この対米協調派の流れの中に小沢治三郎も存在していた。
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