第13話 一式陸攻
マレー沖海戦で活躍した海軍の一式陸攻(一式陸上攻撃機)は、主翼の多くを燃料タンクとした設計の為に、機関銃など口径の小さい弾薬でも被弾すれば、たちまち炎上墜落してしまう為に、米軍からワンショットライターという不名誉な名前を頂いた機体である。中型攻撃機に分類されるこの航空機は、零式艦上戦闘機、酸素魚雷と並んで、日米開戦三大兵器と言われている。海軍の航空機(陸軍も同様)は、皇紀で表される年号末尾二桁を冠して、戦闘機機種の識別をするという慣習があった。ちょうど昭和15年は、皇紀換算で2600年にあたり、名機零戦はここから名前の由来が来ている。翌年の昭和16年採用の中型攻撃機は、皇紀2601年に採用なので、一式陸上攻撃機となるわけである。皇紀とは、「日本書紀」に記載されている神武天皇が即位した年を元年とする暦である。神話に紀元を基づけた年数であり、この概念は今ではほとんどしられていない。兵器の識別をする為に年号末尾二桁を採用していたのは、日本くらいである。アメリカやイギリスなどの列強各国で主流だったのは、偉人や地名を使うものが多かった。自然豊かな日本らしい四季折々な艦船の名前も、海軍艦艇を知る上では面白いだろう。
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