ブッディ 目覚め

※前回のあらすじ※

愛理栖の秘密を握る謎の女性の声が天の声としてひかるの意識に直接呼びかけてきた。

 天の声はひかるにこの世界の秘密を解く鍵をさがすようにという宿題を残した。

※あらすじ 終※


ベットから目が覚めた。 さっきのは夢?

いつの間に寝ていたのかな?

「ひかるさん、 やっと起きたんですね。 お寝坊さんですね。

もうすぐお昼ですよ~!」

愛理栖は笑いながらそう言った。


「え~そんなに寝てたんだね。 ごめんごめん。

ところで愛理栖に聞きたいことがあるんだけど、 聞いてもいい?」


「いいですが、 急に改まってどうしたんですか。

コホン。まあ、どうぞ話してみてください」

愛理栖は不思議そうな様子で一度

咳払せきばらいをしてから応じてくれた。


「5次元の仕組みとか詳しいの?」


「…………。 はい? 何のことですか?」

愛理栖は僕の質問の意味がわからずに困った表情をしていた。


「質問のしかたが悪かったかな。 5次元がどんな世界か愛理栖の知ってる範囲でいいから教えてくれない?」


「5次元は私がなろうとしているもの、 それしかわかりません。 ごめんなさい」


「そんな恥ずかしそうにモジモジ言わなくても。 念の為聞くけど愛理栖は5次元の意味は理解してるよね?」


「すみません。 次元ってなんですか?」


「愛理栖それ本気で言ってる?」


「もちろん本気ですよ~!ひかるさん私の事馬鹿にしてるでしょ?」


「そんなこと無いって」


「人を馬鹿にするような質問してるじゃないですか!

いいですよ。どうせ私はバカですよ~だ!」

どうやら愛理栖の機嫌を損ねてしまったようだ。 やれやれ。

結局あれは夢だったって事か。


その後JAFを呼び県道まで車を移動してもらった。

「愛理栖そろそろ出発しようか?

今から出れば夕方前には愛理栖のお母さんの家に着けるよ」


「そうですね。 じゃあ空さんにお礼に行きましょう」


「あんた達もう行くの? まだゆっくりしていっていいのに~」


「いえいえ、そんな何日も迷惑かけられません。本当にたくさんお世話になりました。 空さんありがとうございました」


「いいっていいって。また遊びに来なよ!」


「は~い!」

僕はそう言うと愛理栖の母の家目指してハンドルを切った。



「わ~!綺麗……。

私たちこんなに高い所にいたんですね!」

愛理栖は目をキラキラと輝かせ、 外の絶景に魅了されていた。


青く澄みきった大空。

辺り一面には雲海が広がり、

その隙間からは北アルプスの山々が顔を覗かせている。

そして、雲海の隙間から下に目をやると、

遥か下には田んぼや民家、道までもが一望出来た。


まるで僕たちは天空の城にでも来ているんじゃないか。

そんな気さえした。


※今回のあらすじ※

不思議な夢から目覚めたひかる。

ひかるから5次元の話を聞いて愛理栖は困惑する。

二人は空に別れを告げ、再び旅立つ。

旅の途中、二人は偶然雲海に遭遇し、

その絶景に感動した。

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