エピローグ

ニルヴァーナ・シャンティ Persistence of the target

あれから7年の月日が流れた。

今日から7月か。 今日も張り切って仕事頑張ってくるかな。

僕はいつものように家を出た。


「今日は職業見学にうちの研究所に大学生がくるらしいぞ」

「そうなんだ!でもまたどうせ男だろ?」

「それがさ、噂では女性で可愛い子らしいぞ!」

「え?それホントか!」

今朝、僕の職場はその話題でもちきりだった。



一週間後。

僕が深夜のようにひっそりとした研究室ラボで一人、

書類を整理をしていた時のことだ。

「ツンツン」


「はい?」

僕は誰かから、背中を指で押された。

後ろを振り返ると、そこには……。



◆後日談◆



僕は後ろを振り向いた。

そこには一瞬愛理栖の面影があったが、愛理栖とは別人の今まで面識の無い希美のぞみさんという女性だった。

年齢も愛理栖が丁度大人になっていたら、この女性のようになっていただろう。

希美さんは僕の研究に興味を持っていてくれたらしく、

僕に真っ先に声をかけてくれたらしい。


結局、愛理栖がいなくなって僕は寂しく無いかって?

寂しく無いって言ったら嘘になる。

でも僕は気付いたんだ。愛理栖という出来事存在は確かにいなくなったけど、

僕の心の中にはいつまでも『き』続けているんだってね。


 stence of the target

君は"対象の永続性"という言葉をご存知だろうか。

なんでも、発達心理学の分野で研究されている概念らしく、

目の前の対象がたとえ視界から消えて見えなくなったとしても、

その後も存在し続けるという認識のことをどうもそう呼ぶらしい。



 なぜだろう。

僕は今に至って不思議とそのことを思い出した。




心の中の愛理栖に泣き虫って言われないように、

僕はこれからもずっと前を向いて楽しく歩こうと思う。


「ジーイ、ジイジイジイジイ」

今日もアブラゼミ達は元気な歌をに聴かせてくれる。


fin





※第1章を最後まで読んで頂きありがとうございました。

いかがだったでしょうか?


ひかる と 愛理栖 の物語はまだ終わりません。

愛理栖は何故5次元少女なのでしょうか?

5次元少女へと繋がる

愛理栖の知られざる生い立ちとは?

千と千尋の神隠しで

川で溺れた幼い千尋がハクに助けられた昔の思い出の様に、

時空を超え、愛に包まれた物語がそこにはあるはずです。


物語は第二章へと続きます。


引き続き、応援よろしくお願いします。






















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↑【登場人物】

•ひかる

希美のぞみ

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