15 スパイ・アトラクション

 たまにはちんまりとした冒険やメシネタから離れ、趣向を変えた体験談を書いてみようかなーと思います。


 今年の春先に、都内某新宿に…(って某がまったく意味ないな…まあいいや)スパイアトラクションなるものができた、という噂を聞きつけました。

 内装や雰囲気など、まんま敵アジトに潜入するような気分を味わえるそうで。


 マサキチ昔から、スパイだの謎解きだのハードボイルドだのが大の好物です。

 もっとも、犯人は当たれども、トリックやロジックの根拠はさっぱり見当ついてないっていう、野生の勘?が強いだけの、見事なまでのザルっぷりな人間ではありますけれどね…。

 けど、そんなのがあるって聞いたらもうもう…百聞は一見に如かず、そいつはぜひとも行かねばって気持ちになりますよねえ。


 てなわけで、潜入してきました。新宿のインスパイヤ。

 発音的には別に問題なさそうだけど、閃きや感化されるって英語のインスパイアに、スパイをかけたんだろうか。

 そう考えると、名称はちょっぴりオヤジギャグテイストだ…。

 嫌いじゃないけど。


 今回も相方はファイト一発な友人が勤めます。本当にお互いいっつも、変なスポットばかり見つけてくるものだけど、こういう体験を共有してくれる友人がいてくれるのはありがたいです。


 数年前までは残っていた、アヤシイ空間から大分洗練された街に変わりつつありますが、相変わらず雑多な印象の歌舞伎町を突き進んでいったビルの中に、そのアトラクションスペースはあります。

 エレベーターの途中階はボウリング場だったりと、ホントにこんなところにあるんだろうか!?ってなくらい、とても平和な空気だったのが、その階についた途端、いきなり薄暗くて雰囲気満々。

 振り返ると、エレベーターまでなんだか地下仕様の装飾になっている。この雰囲気ちょっとかなり期待できそう!

 受付で料金を払い(2016年12月の時点で初回はカード代100円、1プレイ900円)、プレイカードのようなものを渡される。ロッカーに荷物を入れてからまたお集まりください、と言われてロッカーに行くと、ロッカーの塗装もそこはかとなく雰囲気に合わせたボロ仕様(中は勿論綺麗)。これから潜入ミッションに行ける!って気分がますます上がります。


 再び受付に行くと、首から下げられるようケースに入った液タブと、人数分の腕章を受け取って装着。入口前のモニタへと通される、少しすると映像スタート。

 これから潜入するに当たっての心得や、ちょっとした内容説明。世界観に浸れるよう、シンプルながらに割と作り込まれてます。

 ただ、四方に外国人観光客対応なのか字幕が出まくっていて、どこ見りゃいいの?って気持ちには多少なりましたが…。

 うーん…でも、そんなところよりも…この司令官っていうか、迷彩の兵装を着た人がなあ。…多分偉い人って設定(それでも軍とかならせいぜい、少尉とか大尉くらいかなあ?)なんだろうけど、マサキチの目にはこの人がどうも、友人の旦那にしか見えずで…なんかそっくりすぎて、思わず笑いそうになってしまうのが少し辛い。

 ってまあ、それは個人的な気持ちですのでさておいて。


 映像が終わるといよいよ潜入準備なわけですが、目の前の扉が開き、案内人というか、ここでは同じく諜報員仲間か協力者って立場になるのかなあ?に促され、受け取った腕章に書いてある、それぞれのアルファベットの部屋に入ります。

 部屋の中は結構細長くて、壁もコンクリ打ちっぱなしの地下施設のような雰囲気になってます。正面にはシャッター。


 余談ですが、数か月前に行った時はおごそかだった諜報員が、つい先日訪れた際には扉が開いた瞬間、「お待たせしました、諜報員です!」と大声で言い放ったので、なんてファンキーかつ堂々とした諜報員だ(諜報活動は無理そうだ)!と、マサキチツボに入りすぎて笑いが止まりませんでした。


 IDをかざせ、と言われるので受付でもらったカードのバーコードを読ませると、ミッション設定の説明がちょっとしたドラマ仕立ての映像で見られます。

 そしていよいよシャッターオープン。

 埃っぽく演出された空間に錆びたドラム缶や木箱が置かれてたり、パスワードがないと開かない小部屋があったり、埠頭のイメージかコンテナの壁があったり、かなり古そうなPCルームやシャワー室、ロッカールーム、CAUTIONだのDANGERだの、黄色と黒の縞模様のテープが張り巡らされ、これでもかってほどのギミック満載!

 で、この雰囲気だけでもう、謎解きよりもマサキチはうろついてるだけで楽しいぞって気分になりましたねえ…。それじゃあいかんのですが。頭使わんとね、一応スパイなんだから。


 そんな場所のあちこちを仲間の諜報員や、敵方の見張りっぽい雰囲気の人がうろついており(特に追われるとかいうようなことはないですが)さほど広い空間ではないというのに、ワクワクする雰囲気がもう、わんさか詰め込まれてます。ミリタリーオタとか、サバゲ―好きな人にも楽しめそう。


 謎解きは液タブに送られてくる指令通りに、誰かの落としたIDを探したり、PCからパスワードを引っ張り出したりといったことなど、多岐に渡ります。

 おそらく、1~数か月置きには内容も変わっている様子。

 指令の詳細は…行ってみたいと思っている人にとっては面白くないと思うので書かずにおきます。

 …な~んて言えればいいのですが。つい先日、前回のリベンジを!と訪れた際、まったく変わっていましたので、ネタバレなんぞできませんよ…。

 興味ある方、腕(頭?)に自信のある方は、ぜひとも一度トライしてみてはいかがでしょう。あの雰囲気を味わうだけでも、なかなか一興です。

 

 …ん?

 さらっと流してたけど、肝心のマサキチの結果はどうだったかって?

 そんなの当然!

 ミッション・フェイルドですよ…。

 また挑戦したいとは思えども、たとえどれほど世界観が好きでも、どんだけ本を読んでいたとしても…マサキチ、スパイにゃ向いていないようです。

 …残念。

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