部活動紹介の6話。
4月11日 火曜日
弘人はこの日の放課後を少し楽しみにしていた。
なぜなら部活動の紹介が体育館で行われるからだ。
「あのさ...もうタイトルでネタバレしてるよ」
あっ、ホントだ。
弘人が体育館に入ったちょうどその時、運動部の紹介が終わった。
え?これから紹介が始まるんじゃなかったのか?だって?
「僕は元々運動部に興味はない。」
...だそうです。
運動部の方、すいません。
『では、これより、文化部の紹介に移ります。まず最初に紹介するのは我々放送部で...』
「ちょっと待てぇぇぇぇえええええ!!」
突然そんな声が体育館内に響き、体育館にいた
新入生一同は椅子から飛び上がった。
と、ステージの傍から一人の少年が現れた。
制服の肩に引いてある緑の線は二年生、上級生の証だ。
「なんで放送部から始まるんだ!普通はあいうえお順で"写真部"から始めるだろうが!!」
いや、その前に"吹奏楽部"や"茶道部"などがありますよ。
「なんだアレ...」
「なんだ、またか。」
そう唖然としている弘人に明里はそう話しかけた。
「『またか...』ってことはあいつ、毎年アレやってるの!?」
「うん。彼の名前は
「へー...そ、そうなんだ...」
弘人は納得しつつ、頭の隅で情報代について考えてると、
「今回はタダにしてあげる。」
「......感謝です。」
一方、ステージの方では。
「おほん!ではこれより我が写真部の紹介をさせてもらう!俺は副部長の遠野 真斗だ!」
はい、知ってます。
「我々写真部は現在部員数なんと6名!という訳でお前ら新入生!じゃんじゃん我ら写真部に入ってくれ!」
「説明がパッとし過ぎてなにを言いたいのか分かんねぇ...」
弘人がもう帰ろうかなと思っていた。
その時、
「邪魔するなぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
そう、まるでサ◯ーウォーズのラストシーンの様にステージの傍から飛び出したその影は、真斗の頬を右ストレートで殴り、舞台裏へ吹き飛ばした。
これには一同、さらに唖然。
「なんだ、またか。」
「これもなの!?」
弘人がツッコミをしたついでに真斗を殴った人物について聞こうとした時、ステージの上の"その人物"は腰に手を添え、口を開いた。
「え〜っと、私の名前は、
私たち写真部はさっきの馬鹿が言った通り部員は6名。
しかし私たち写真部はそんな少ないメンバーでも市の写真コンクールで金賞が取れるように日々頑張っています。
私たちと一緒に写真を撮りたい、または写真、カメラが大好きという方は、見学だけでもいいので是非、写真部へ遊びにきてください。
ご清聴ありがとうございました。」
珍しく真面目で長い文ですね。僕はもう部長の名前を忘れましたよ。
新入生から拍手が捲き起こる中、弘人はある事を思ったが口には出さなかった。
そして、明里も何かを弘人に言おうとしたが、途中で言うのをやめた。
ここ、伏線ですよ。
その頃、下校途中にスーパーへ寄った瑠奈は。
「......」
生活用品の所である商品を持ったまましばらく固まっていた。
『すごく落ちる食器洗剤!コーラ味!』
6話。【完】
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