ようこその4話。
「ハイ、どうぞ。」
瑠奈は即席で作った野菜炒め&インスタントご飯をテーブルに置くと、超のびのびの蕎麦を手に持ち、「うわぁ」と一言。
やっとそのいわく付きの蕎麦を捨てるんですね...
「い、いただきます!」
葵は持ってきた鞄から"My箸"を取り出し、手を合わせた。
うん。礼儀正しいですね。
どっかの兄妹と違って。
「どう?うまい?」
瑠奈は台所で三角コーナーに蕎麦を捨てながら聞くと、
「Oh, God...thank you for grace for us...(訳:おぉ神よ...我に恵をありがとうございます...)」
Is she a god from you?(訳:あなたから見て彼女は神なのですか?)
「Yes, she helped me when I was in a pinch(訳:はい、彼女は私がピンチな時に助けてくれましたので)」
「???葵さん?どこ向いて話してるの?」
おっと、こりゃ失礼。
その後、葵がちょうどご飯を食べ終わった時に元凶その②の桑瀬 弘人がちょうど帰ってきた。
そして彼もここがシェアハウスだと知ると、瑠奈と同様に今更ながら驚いた。
それから30分。彼らは『歓迎会』という名を借りて自己紹介を始めた。
「えーっと、僕の名前は桑瀬 弘人。今年からここの近くの高校に通うことになった高一。よろしく。」
「私はこのバカ兄の妹、桑瀬 瑠奈。
同じく高校一年。バカ兄とは二卵性の双子。よろしく。」
「私は神...じゃなくて、瑠奈さん達と一緒にここに住む&高校にいくことになった立花 葵です。高校一年生。よろしくお願いします。」
「じゃあ!これからここで一緒に過ごしていく仲間として...」
弘人がそうジュースの入ったコップを持ち上げると、二人も同様に持ち上げ、
『かんぱ〜い!』
パリンッ!!
「あ〜あ、割れちゃった。」
「割れちゃったじゃないわよ!ちょ、フキンフキン!」
見事に弘人のだけ割れましたね。
「予備のコップ持ってきますね。」
※掃除中。しばらくお待ちください※
「まぁ、少しゴチャゴチャしたけど、これからよろしく!」
「よろしくお願いします。」
「ん、よろ。」
よろしくお願い致します。
「そういえば...」
葵がコップを置いて挙手し、一言。
「さっきから思ってたんですけど、ここってシェアハウスですよね?」
「せやな。」
「そーだね。」
「じゃあ..."大家さんはどちらにいらっしゃるんですか?"」
『え...?』
兄妹が異口同音に発する。
『大家さんっているの?』
ホントにダメだこの兄妹。
10分後。
瑠奈は荷物の中から権利書を見つけだすと、大家の名前を探した。
そこには【桑瀬 幸雄】と父の名前があった。
ちなみにその父は現在海外に出張中。
日本に帰ってきてもほぼ実家で過ごすのでほとんどここに来ないということに。
「まぁ、これで大家の件は解決したことだし、今後の事でも考えますか。」
ですね。皆さんは部活動は何に入りますか?
「私は帰宅部だよ。家でご飯とかの準備があるからね。」
「そうなんですか...というか高校の入学式って何日からでしたっけ?」
「確か、10日からだったはず。今日って何日だっけ?」
「え〜っと、今日は9日ですね。」
え…
『明日じゃん!!』
これには流石の葵も敬語ではなく大声で叫ぶ。
そして翌日。
3人はゴタゴタした朝を迎えた。
4話。【完】
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