色々と大変な3話。


桜の木には満開の桜が咲き、春の心地よい風が吹く4月。


「ありがとうございました。」と引越し屋のトラックを見送ると、立花 葵はこれから住む家を見上げた。


新しい学校生活と出会いが沢山待ち受ける4月。葵はこれからの高校生活に胸を弾ませ−−−−

「あ〜!どんな人が居るんだろ!楽しみだな!」

てますね!いや〜どっかの兄妹とは違いますよ!


え?一回見たことがある文章だって?

気にしない気にしない。


というか、家の前に荷物を(ダンボール箱3つ)置いてさっさと帰る引っ越し屋って最悪ですね。


「さて!さっさと荷物を中に入れて、これから一緒に住む人に挨拶をしなくちゃ!」


あ、引っ越し屋の件は気にしてないんですね。


葵はダンボールを抱えて玄関前に移動。

一旦ダンボールを下ろし、呼吸を整えるため深呼吸。


「ひぃ、ひぃ、ふぅ〜...」


ちょっとそれ違いますよ。


呼吸を整えた葵はインターホンのボタンを...押した。


ピンp...

「は〜い!なんですか!?」


早っ!?


家から出てきたのは青いパーカーを着た男子、桑瀬弘人。


「あ!こんにちは!私今日からここの家に一緒に住むことになった立花といいm...」


「あ?新聞ですか?ならいいです。ちょっと今急いでるんで。では。」


「え?あっ、ちょっと待...」


弘人は玄関の横に停めてあった自転車にまたがりさっさと何処かへ。


引っ越し屋に引き続き最悪ですね。

こいつ、将来モテませんよ。


「...まぁ、いっか。んじゃ早く荷物を中に...」


葵はドアに手をかけ、そこである事に気付いた。


鍵がかかってる。


「……」


コレはひどい。


「ま...まぁ、急ぎの用があるって言ってたし、しばらく待とうっと..」


葵はポケットからスマホを取り出すと、L◯NEやらGoo◯leやらいじり始めた。



そして、そのまま二時間が経過。



葵は少し肌寒い腕をさすりながらスマホの時計を見た。


––– 7:13 –––


さすがに待たせすぎですよ桑瀬兄妹。


「あぁ...暇だ...お腹すいたなぁ..」


ここに来たときはあんなにテンションが高かった葵も今ではこの通り。

超低いです。


「……今日はホテルに泊まろっかな...」


そう諦めかけていたその時。


「あれ?お客さんですか?」


そう声をかけたのは両手にビニール袋を5つほど持った桑瀬 瑠奈。その本人。


「おぉ...神よ...」


思わず葵の口からそんな言葉が。


電柱の外灯の光が、まるで後光をさしているように見えます。



ま、全ての元凶はこやつですが。



「ま、まぁ、中にお入りください。」


瑠奈は鞄から鍵を取り出し玄関のドアを開ける。


「おじゃまします...!」


葵は瑠奈の後に続いて家に入った。


瑠奈が台所にビニール袋を置きながら

「えーっと、あなたのお名前は...?」

と聞くと


葵はカチコチで、

「あっ!わ、私は立花 葵と言います!今日からこのシェアハウスで一緒に暮らすことになりました!よろしくお願いします!」


「よろしくって...この家、シェアハウスなの!?」


今更ですか。


「え、まさか気付いてなかったとかですか...?」


「うん。」


即答。ダメじゃこりゃ。


瑠奈が

「と、とりあえず何か食べる?」

と聞くと。


「い、いいんですか!!」

と敬語で葵が答える。


言っときますけど、同年代なんですよこの二人。


「んじゃ、何か作るからできるまでテーブルの上に置いてあるの、食べてていいよ〜。」


「で、では、いただきます!」


と葵がテーブルに目を移すと、そこには超のびのびの蕎麦が置いてあった。


3話〈完〉

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