第52話 洞窟に向かう準備をしよう!
ビナスの再プロポーズから翌日、レイアは装備を整えながらステータスを更新し、ハマドの洞窟へ向かう準備を進めていた。
「ナナ、ステータス見せて?」
「了解しましたマスター」
__________
【名前】
紅姫 レイア
【年齢】
17歳
【職業】
女神
【レベル】
63
【ステータス】
HP 4015
MP 2521(2721)
力 7462(14924)
体力 2392
知力 2198(2498)
精神力 1085
器用さ 2053
運 65/100
残りSTポイント1400
【スキル】
女神の眼Lv9
女神の腕Lv3
女神の翼Lv6
女神の天倫Lv1
ナナLv8
狩人の鼻Lv5
身体強化Lv8
念話Lv1
霞Lv1
【リミットスキル】
限界突破
女神の微笑み
セーブセーフ
天使召喚
闇夜一世(現在使用不可)
女神の騎士
ゾーン
剣王の覇気
黒炎球
心眼
幸運と不幸の天秤
一部身体変化
聖絶
【魔術】
フレイム、フレイムウォール、シンフレイム
アクア
ヒール、ヒールアス
ワールドポケット
【称号補正】
「騙されたボール」知力-10
「1人ツッコミ」精神力+5
「泣き虫」精神力+10体力-5
「失った相棒」HP-50
「耐え忍ぶと書いて忍耐」体力+15精神力+10
「食いしん坊」力+10体力+10
「欲望の敗北者」精神力-20
「狙われた幼女」知力-10精神力-20
「慈愛の女神」全ステータス+50
「剣術のライバル」力、体力+20
「竜を喰らいし者」HP+500 力、体力+100
「奪われ続けた唇」知力、精神−50
「力を極める者」力+100 知力-50
「悪魔の所業」運−5
「断罪者」運−10 力+50 体力+50 器用さ+50 精神力−50
「犯された女神」精神−200
【装備】
「深淵の魔剣」ランクS
「朱雀の神剣」ランクS
「深淵の女王のネックレス」ランクB
「名も無き剣豪のガントレット」ランクA 力2倍
「フェンリルの胸当て」ランクS
「ヴァルキリースカート」ランクB
「生命の指輪」ランクS
「黒炎の髪飾り」ランクB MP+200 知力+300
__________
「ねぇ、ナナさんや……忘れたいのに忘れさせてくれない称号がついてしまったよ? どうしてくれるの? 精神をがつんと削ってくれてるし、俺はそのせいでキレ易いんじゃないの?」
「……世界は優しくないのよ。神が我々に与えた試練だとでも思いなさい? 私も我慢するから」
「俺って一応女神で、君天使だよね? 何なの神様ってそんなに偉いの? 存在を疑うわけじゃないけど、会ったら絶対一発殴らせてもらう」
「大丈夫よ。私もその時は力を貸すから」
姿は見えないが女神と天使の想いは通じ合い、絆は深まった。
「じゃあ新スキルの説明をよろしく」
「ナビナナチェンジ〜!」
___________
【女神の天倫】
・頭上に聖なる輪を浮かべ、天の理を説くことで穢された魂を救済し、在るべき場所へ導く。
ただし長い年月で穢されきった魂の浄化は、スキルのレベルが高くならなければ不可。
・生きている者には信仰心を芽生えさせ、その数が多い程スキルのレベルは上がっていく。
【念話】
・身近な者と精神での会話が可能になる。スキルレベルが上がるほど距離が伸びていく。
【霞】
・使用者の存在を薄め、他人からの視線や気配察知に対して認識を阻害する。レベルにより更に効果は増す。
__________
「『念話』はキングモルモ。『霞』は仮面野郎が使ったスキルだろうね。他に覚えてないって事は、あいつが使ってた黒い布はやっぱりナナの予想通り特殊なアイテムで、あの強さは純粋な体術って事か。やっぱり強敵だなぁ……」
「そうでしょうね。他にも『女神の眼』が通じない程のステータスを隠蔽するアイテムを所持している筈です。間違いなくそちらもSランクアイテムでしょう」
「『狩人の鼻』があんまり役に立ってる実感が無いんだけど、いるのこれ?」
「索敵の際にかなり役立っているのですよ。マスターへの実感は確かに少ないかもしれませんが、このスキルが消えたら『滅火』はランダム放射しか出来ません」
「マジかよ……どんなスキルも侮っちゃいけないって事か。新スキルの説明ありがとう! 残りSTポイントは突然何かあった時の為にとっておくよ」
「了解致しました」
レイアは準備を終えるとアズラとビナスの部屋へ向かう。そこにはどんよりとした暗い雰囲気を醸し出す二人が居た。
「おはよう姫。悪いんだが早々に部屋割りをお願いしたい。魔王様と同じ部屋なんて気が休まらない。マジで精神的にきついぞ……」
「おはよう旦那様。我もアズラと同じ意見だ。妻なのに別の部屋など納得いかん! ディーナとコヒナタが羨ましいから早く何とかしてくれ」
ビナスは思った事を隠さず素直に言うから伝わりやすい。レイアは兎も角アズラの事を考えるとしょうがないと了承した。
「わかったよ。一緒のベッドはまだ嫌だけど、今夜から俺の部屋の余ったベッドで寝ていいよ。男性化は解いてね?」
「わかった。我も妻となると決めた以上、極力男の姿にはなりたくない。アズラ相手ならどちらでも構わないが、旦那様の前では女でいたいのだ」
「その旦那様って呼び方なんか変じゃない? 俺は確かに精神は男だけど、身体は女性というか女神だし、『身体変化』も一部しか出来ないんだよ?」
「それこそ我も性別を好きに弄れるのだから問題ないであろう? だから旦那様は旦那様だ。いつか呼んでみたいという憧れもあったしなぁ……」
ビナスが両頬を抑え、照れながら嬉しそうに惚けている。その様子を見て、レイアは説得を諦めた。
目の前には黒髪ツインテールに赤いリボン。短い二本の角を生やし、服はコッテコテの黒いゴシックドレスを着た紛れもない美少女がいる。ーー赤い瞳が黒に彩られて、一際輝いていた。
右手に持っている紅玉が埋め込まれたロッドもカッコイイ。メイド服を着せれば、鼻血が出そうな程に完璧に着こなす筈だ。
口調は固いが、動揺したり感情が乱れると、途端に普通の少女のような口調になるギャップが可愛い。更に今後改善する余地があった。
女神は心中で発する言葉とは裏腹に、黙っている事がある。『紅と黒』この超好きな組み合わせを体現したような美少女に惹かれない筈が無かった。
実はめちゃくちゃ好みのタイプなのだ。
しかし、立場を考えて一線を引いている。レグルスを無事に出られなければ、折角想いが通じ合っても離れ離れになるからだ。
ビナスは想いをストレートに伝えてくる。魔王なのに着飾る事もしない姿勢は、しっかりとレイアの胸に響いていた。
__________
「それじゃ、ハマドの洞窟へ向かおうか! 街の外に出たらディーナに乗って行くよ!」
俺の言葉を聞いてビナスが疑問を投げ掛けてくる。
「ディーナに乗るという意味が分からん。昼から野外プレイでもするのか? 我は構わないが、初めてはもう少しムードを大事にして欲しいな」
「ほう? 妾もそれはそれで構わんがのぅ?」
「馬鹿! そんなことするわけないでしょ⁉︎ いや、する事もあるか? 取り敢えずディーナは竜だから、背中に乗せて飛んで貰うんだよ!」
想像しただけで、それはそれでありかと思い切り動揺してしまった。野外プレイか。いつかはトライしよう。
「姫よ。いいから魔王様に竜化を見せた方が早いぞ?」
「レイア様、落ち着いて下さいね?」
アズラとコヒナタに窘められる。街の外まで出るとディーナが白竜姫形態へと変化し、ビナスを驚かせた。
「竜の山の王だと⁉︎ 何故最初に会った時に言わんのだ!」
「「面倒くさいから!」」
俺はディーナとユニゾンして即答する。相変わらず興味が無い事に関する意思疎通はバッチリだ。
「はぁ……アズラの苦労を垣間見た気がするな」
「それは大変嬉しく思いますが、現実は今考えている予想の二倍は厳しいですからね」
呆れた表情を浮かべながら、二人は励まし合う様に肩を叩き合っていた。
「よし! 洞窟へ向けてしゅっぱ〜〜つ!」
俺はまるでクエストでは無く、ピクニックにでも行くかの様にノリノリで出発した。そしてこの後、目的地であるハマドの洞窟で自分に似て非なる最悪の存在と出会う。
【災厄指定Sランク魔獣、スキルイーター】
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